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肉バカが1年間食べまくって選んだ、焼肉以外の肉料理の名店【焼ニシュラン2019(番外編)】その1

☆☆[肉屋田中]

2019年11月に銀座にオープンした「肉屋田中」は、「肉屋 雪月花 NAGOYA」の東京店である。
店主の田中さん自らが名古屋から銀座に出てきていることから、気合の入り方が分かる。

仕入れる素材については名古屋時代と変わらず、市場に出回る中で最上級を揃えていて、肉マニアのヨダレを誘ってしょうがない。
肉肌の美しいブロックに包丁が滑り込み、1枚1枚切り出されていく過程がカウンターから見え、息をするのも忘れてしまうほど見入ってしまう。

料理は前菜から素晴らしいのだが、メインのステーキは見事の一言。
炭でさっと炙った後にじっくりと休ませるスタイルで、じっくりと1時間近くかけて焼いているように見える。
仕上げはすき焼き鍋のようなもので香ばしさも加えることで、表面はしっかりと焼かれていながら、中はふんわりとした独特な仕上がりになり、まさに理想的な火入れを完成させたスタイルとなっている。

銀座という土地柄、名古屋よりも少しだけ値段は上がるが、それでも抜群のCPであることには違いない。
肉好きであれば、銀座で最高峰の和牛を体験して欲しい。

肉マニアの胃袋を鷲掴みにする最高峰和牛
肉マニアの胃袋を鷲掴みにする最高峰和牛

☆☆[肉料理 ふくなが]

滋賀県にあるマルキ牧場。
そこで育てられる純但馬血統の近江牛は唯一無二で、一切セリには出されない。
肉肌は見事な小豆色で、一口食べれば、今まで食べてきた肉とのあまりの違いに誰もが驚くだろう。

そんなマルキ牧場の肉は、京都の「くいしんぼー山中」や精肉店である「福永喜三郎商店」で扱われていたが、実は福永さんの弟さんがやっている肉料理店が存在する。
それが滋賀県守山市の「肉料理 ふくなが」だ。

もちろん、扱われているのはマルキ牧場の近江牛。
照りと粘りのある肉は、焼いている段階で香りが全く違う。
前菜のタタキから定番のステーキ、そしてハンバーグやすき焼きに至るまで、何を食べても唸るしかないクオリティ。
ただただ素材の違いを痛感させられるのだ。

こんな肉が食べられるのであれば、たとえ少々遠かろうと行ってしまうのは仕方ない。

見よ、この照りを! タタキでも焼きでもあまりの旨さに言葉を失う
見よ、この照りを! タタキでも焼きでもあまりの旨さに言葉を失う

この続きは次回(4月10日更新予定)の肉バカ日誌で紹介したい。

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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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