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肉バカが1年間食べまくって選んだ、焼肉以外の肉料理の名店【焼ニシュラン2019(番外編)】その1

☆☆[ひらやま]

「ひらやま」の店主・平山さんは「かわむら」の河村さんが「ゆたか」にいた時代の弟弟子で、2年ほど一緒に働いていたという。

よって、そのスタイルはやはりゆたかの影響が強く、ヒレを贅沢に使った料理が多い。
そして、平山さんが好む好まぬに関係なく、ゆたかというよりかわむらと比較されがちなのではないだろうか。

勝手な想像だが、日本一予約の取れないステーキ屋かわむらと日々比較される事は、平山さんにとって良い意味で刺激になっていたのではないだろうか。

ひらやまで初めてステーキを食べたのは2013年だが、素材、火入れ、バリエーション、全てが格段に進化している。
ヒレという素材に限って言えば、かわむらよりの肉本来の味がしっかりしたものになっている。
ただし、火入れという観点で見れば、かわむらの唯一無二のものまでは及ばないが、それも好みかもしれない。

決して気軽に行ける値段ではないが、ヒレ好きであれば、一度はヒレ尽くしのコースを必ず食べるべきだろう。

ひらやまのヒレステーキは一体どこまで進化を続けるのだろうか
ひらやまのヒレステーキは一体どこまで進化を続けるのだろうか

☆☆[肉屋 雪月花 NAGOYA]

名古屋駅から歩いて2分という好立地に構える和牛の聖地。
岐阜や愛知県で焼肉店を中心に和牛を扱うグループの肉割烹が「肉屋 雪月花 NAGOYA」である。

雪月花の特徴は、一言で言って仕入れる和牛のクオリティにある。
神戸ビーフや特産松阪牛などの純但馬血統の和牛の中でも、市場で最高評価を受けるようなものを中心に取り揃えている。

肉割烹でありながらシンプルなスタイルの料理で、素材の良さでグイグイと攻めてくるのが肉好きには心地よい。
広いカウンターに座ると、次々とテンポよく料理が出てくるが、そのどれもが心と脳に突き刺さる美味しさを持っている。

それでいて、値段は決して安くはないが、ある程度手の届く範囲で、原価率の高さは誰の目にも明らかだ。
和牛の原価がだいたい分かる人間からすると、これ以上のCPの良さはない。

和牛の聖地だからこそ出会える極上肉が待っている
和牛の聖地だからこそ出会える極上肉が待っている
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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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