2024.2.5
子どもの手を引き、高台へ【逃げる技術!第8回 防災編① 】津波から逃げる
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震度5強のこの揺れなら、死ぬことはないとわかった
ただ、これは2011年3月11日の東日本大震災のときに、東京・有楽町で体験したのと同じ震度でした。そこで「この揺れの強さならおそらく直接生死には関わることはないだろう」と思えたため、比較的落ち着いていられました。揺れているあいだずっと、子どもには「大丈夫、大丈夫。お母さんいるから絶対に大丈夫だよ」と話しかけていました。
日本では、震度5強の地震が1回だけなら、耐震基準を満たした建物であれば倒壊するようなことはあまり考えにくいのですが、本棚や食器棚、石油ストーブなどの火のそばは危険です。また 屋外では、石灯籠や石塀が倒れて下敷きになるおそれもあります。そういったものがあればすぐさま離れて、頭を守れる場所に移動するのがよいでしょう。
写真はわたしが高校生のときまで使っていた部屋です。本棚が倒れました。リビングとキッチンは食器、陶器の置物、写真立てなどが散乱し、割れ物だらけになりました。
本棚には、上部つっぱり棒をかませる、壁に打ち付けて固定をする、などの対策がおすすめです。なるべく重いものは下に、軽いものは上に収納を。
外では向かいの家の石塀が全壊に近い状態になっており、かなり様子が変わってしまっていました。翌日以降、石灯籠や石塀が崩れているのをあちこちで見かけました。
まずは頭を守る。石塀などの倒れそうな重量物、また火気からは離れて。
テーブルの下にもぐるだけでなく、脚を押さえる
地震発生当時、8歳の娘は一人でリビングルームにいました。ガラスや陶器の破片が散乱していましたが、どこも怪我をせず、無事でした。
「地震だと思ってすぐダイニングテーブルの下に入ったんだよ。テーブルの脚をつかんで、テーブルが倒れないように支えたんだ。そうやって学校で習ったの」と後日、娘は話してくれました。 この記事を書く上で調べてみますと、東京消防庁のホームページでも、「机などの脚をしっかりと握りましょう」と書かれていました。
また、もちろん、机やテーブルに入ることだけが最適解ではなく、最近の防災教育では、①8秒以内に安全そうな場所を見つける(素早く=うさぎさん)②そこに移動する(走る=ねずみさん)③身を守る(かめさん)といった教え方もされているそうです。
最初の揺れで安全そうな場所を素早く見つけ、そこに移動して、身を守る。
テーブルの下にもぐったときは、テーブルの脚をつかんで支える。
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