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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

【動画つき独占インタビュー】れいわ新選組・山本太郎代表「来年7月の参議院議員選挙で議席を2ケタに乗せたい」

東京8区の騒動。立憲民主党側の交渉相手については「明かしたら、もう大炎上ですよね(笑)」(撮影/熊谷 貫)
東京8区の騒動。立憲民主党側の交渉相手については「明かしたら、もう大炎上ですよね(笑)」(撮影/熊谷 貫)

「東京8区騒動」の裏側を聞いた

畠山
今回の総選挙を振り返る上で、「東京8区騒動」は外せません。その話をお聞きしたいと思っています。

山本
おー。はい。

畠山
最初に私から時系列の整理をしますね。山本代表は10月8日に新宿の街宣で「東京8区から立候補する」ことを表明しました。この時、すでに立憲民主党とは話がついているとも説明していました。
しかし、立憲民主党の枝野幸男代表(当時)は、山本代表の出馬宣言以降も「吉田晴美さんとそれを支えるみなさんが涙ぐましい努力をしてきたのを知っている」「(山本代表の出馬は)本当に困惑しているとしか言いようがない」と発言しました。そのことで東京8区の有権者からは大きな声が上がった。
結局、山本代表は10月11日に「東京8区からは出ません」と表明する羽目になった。立憲側にハシゴを外された形だと思いますが、山本代表は選挙中に東京8区入りして立憲民主党の吉田晴美さんを応援しました。そして、今も立憲民主党側の交渉相手が誰だったのかを明かしません。なぜですか。

山本
明かしたら、もう大炎上ですよね(笑)。完全な炎上というか、もう、焼け野原です。それは不信感にしかつながらない。そういうことがあったのは確かだけれども、立憲民主党はそれを上回るだけの人材を抱えています。この国にとって有為な人材を抱えている政党だと私は思っています。

畠山
今回は「消費税5%への減税」を優先したということですか。

山本
積極財政、人々に対する底上げ、いろいろなことに関して共通点を持つ人たちが立憲民主党にはいます。ここで相手側を傷つけにいってプラスになるかといったら、そうプラスにはならない。やっぱり全体のことを考えました。

畠山
自分が悪者になることを選んだ?

山本
そうは言っても、言われっぱなしというわけにもいきません。(立憲民主党側に)やっぱり、ちょっと行き過ぎている部分があるわけです。

畠山
だから10月11日に日吉駅で行なわれた街宣で、「東京8区からの出馬は立憲民主党側からの申し出だった」と、交渉の詳しい経緯を説明したんですか。

山本
「ちょっと待ってよ。刀を抜かさないでくださいね」っていう話ですよね。

畠山
交渉相手を明かさなかったことで、「山本太郎が勝手なことを言っている。嘘を言っている。山本太郎が悪い」とも言われました。それも受け入れるのですか。

山本
時系列で見たときに、私はこちら側が説明した内容に不自然な点はないと思います。しかも「録音まである」と言っているわけですよ。そのパンドラの箱を開けたら大変なことになる。それを避けるための批判なら、私が引き受ければいいと思っています。

畠山
東京8区に限らず、候補者の一本化は残酷です。れいわ新選組は候補予定者のうち4割を小選挙区から下げました。

山本
はっきり言って、エグい。私の場合は「(東京8区で)立ちます」と言ってから「撤退します」と言うまでは3日間で、すごく短かった。それでもダメージはあるわけです。うちの候補者に関しては、最長で2年。短い人でも1年近い。それなのに「ごめん。なしで」と言われるわけです。こんなにも悔しい思い、不条理はないだろうなって思います。

畠山
事前の情勢調査結果も考慮しているのでしょうか。

山本
もちろん調査は入れました。小選挙区ではなかなか難しいだろうという結果が出ても、それだけで撤退できるものじゃないんです。小選挙区で候補者を立てないと比例の広がりができない。逆に言ったら、私たちが東京でリアルに2議席を取りに行くなら、もっと小選挙区で立てなきゃダメだった。最低限、立てると決めた人を下げちゃいけなかった。

畠山
それでも野党候補の一本化は必要でしたか?

山本
戦い方としては当然だと思います。ただ、その戦い方に向けてのアプローチ、打ち出し方は、このままでいいとは思いません。そこに大きな変化がなければ、なかなか乗ることはできません。

畠山
小選挙区からの出馬を取りやめてもらう人たちにはどんな話をしましたか。

山本
私たちは2年前から「目指すのは消費税5%を旗印にした野党共闘。その対象になったときには、問答無用で降りてもらう」と話をしてきました。最後まで一度もゴールポストを動かさず、そのルールに則ってやりました。けれども、それは非常につらい。候補者とともに、それを支えてくださったボランティアの方々が一番辛いでしょう。やっぱり、納得いかない部分は、ずっとついてまわります。

畠山
今回の選挙では、与党側が「野党共闘」を強く批判するシーンが多く見られました。それだけ脅威だったのではないでしょうか。

山本
「共産党と立憲民主党が一緒にやるのはおかしい」という報道も多かったですね。でも、ちょっと待って、と思う。自民党と公明党の関係性を考えたら、そこまで無理な話じゃないですよね。ところが、そういうことは一切テレビで言われませんでした。与党側と野党側の報道の格差はあったと思いますね。

2021年10月22日。話題となった東京8区。立憲民主党・吉田晴美候補への応援演説。(撮影/畠山理仁)
2021年10月22日。話題となった東京8区。立憲民主党・吉田晴美候補への応援演説。(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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