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【動画つき独占インタビュー】れいわ新選組・山本太郎代表「来年7月の参議院議員選挙で議席を2ケタに乗せたい」

反省点はキリがない。一番痛かったのは比例東海ブロック。

畠山
今回の総選挙で得たものはなんでしょうか。

山本
オリジナルのメンバーと一緒に国会に戻れたことは大きな収穫ですね。

畠山
反省点はありますか。

山本
反省点を挙げたらキリがない。なかでも一番痛かったのは比例東海ブロックです。

畠山
れいわ新選組は、比例東海ブロックで1議席獲得できるだけの票を得ていました。

山本
ここには小選挙区で2人の候補者を立てていました。しかし、残念ながら、どちらも比例復活当選に必要な10%を超える得票を得られませんでした。

畠山
比例単独候補を1人立てていれば、もう1議席取れた可能性がありました。

山本
万が一の状況に備えて、2人のうちのどちらかを比例に回すという提案も春頃にしたんです。でも、すでに準備している中で、小選挙区から撤退して比例に回ることはできなかった。あとは資金との相談になります。財政的に踏み出せませんでした。

畠山
「0か1か」とも言われていました。

山本
れいわ新選組は「もう死んだ」とか「もう終わった」と言われていました。でも、結果を見たら、実はまだ生きていた。3議席獲得できたのは非常に大きいと思います。数字には反映されないところ、可視化されないところで、ボランティアの方々が本当に横に広げてくださったことの表れだと思います。

畠山
今後の目標を教えて下さい。

山本
少なくとも、来年7月の参議院議員選挙でれいわ新選組の議席を2ケタに乗せたい。2ケタになれば変化が出てくる。院内でできることもそうだし、何かしら不満を持っている人たちがこちらに流れてくることもあるかもしれない。

畠山
今後は順調に成長する局面になるということでしょうか。

山本
今回の選挙では、もうひとつ大きなものを得ました。それは「人の力」です。これまではビラ配り以上に踏み込まなかったボランティアの中に、選挙実務に関わってくれる人たちが増えたんです。これは必ず次につながる。

畠山
それは大きな成果ですね。

山本
主体的に関わってくれる人たちは、将来的には政治の場にも出てくるでしょう。むしろ、出てきた方がいい。間違いなく未来につながる選挙ができたと思っています。

時に笑いもあったが、基本は本気の対話だった。予定時間をかなりオーバーしても山本代表は質問に答えてくれた。(撮影/熊谷 貫)
時に笑いもあったが、基本は本気の対話だった。予定時間をかなりオーバーしても山本代表は質問に答えてくれた。(撮影/熊谷 貫)

連載終了にあたって

 始まりがあれば終りがある。そして、どちらも突然やってくる。
 すでに知っている人もいると思うが、私の連載は今回が最終回だ。
 前代未聞の「選挙エッセイ」を書き始めたのは、今から2年前。毎回、「選挙エッセイってなんだろう」「誰が読むんだろう」と自分自身にツッコミを入れてきた。
 しかし、読者のみなさんに勇気づけられ、なんとか2年間続けることができた。何度か「今月一番読まれた読み物」にもなった。そして、今年10月には連載をもとにした書籍『コロナ時代の選挙漫遊記』(畠山理仁著・集英社刊)を世に問うことができた。この連載を支え続けてくれたみなさんには感謝の念しかない。心から御礼を申し上げたい。

 私がこの連載で伝えたかったのは、「選挙は誰もが参加できるお祭り」ということだ。その意味では、微力ながら一定の成果が出せたのではないかと思っている。本当かどうかはわからないが、「いつも読んでいますよ」「選挙に対する見方が変わりました」「自分も立候補する勇気が出ました」という声を何度も聞いてきたからだ。
 最終回で取り上げたのは、結成から2年半で国会に5議席を持つ勢力となった「れいわ新選組」である。山本太郎代表への独占インタビューは、記事と動画の2本立てにした。
 内容は重ならない。どちらもこれからみなさんが選挙に関わっていく上でのヒントがある。思想信条に関わらず、「選挙」を自分たちの手に取り戻す実例として触れてほしい。
 インタビュー動画では、「いつ総理大臣になるのか」も聞いた。山本太郎代表は「総理大臣になったら、喜んでメロリンQをやる」とも明るく話してくれた。
 動画の中で山本太郎代表に最後の質問をしてくれたのは、19歳の大学生で、映画監督でもある中村眞大さんだ。中村さんは、私の書籍や連載を読んで、「取材の手伝いをしたい」と申し出てくれた。
 今回の動画編集はすべて中村さんに任せたが、素晴らしい仕上がりになった。私は今、次の世代にバトンを手渡せたような気持ちになっている。とても満足している。私のインタビュー記事と合わせて、中村さんがまとめてくれた動画もぜひご覧いただきたい。

【スペシャル動画】「総理大臣になったらメロリンQをやる宣言」

 私の「選挙漫遊記」は、今回でいったん区切りとなる。しかし、私自身はこれからも全国各地の選挙を楽しく漫遊していくつもりだ。
 もし、どこかの選挙現場で私を見かけたら、気軽に声をかけてほしい。この連載を読んでくれたみなさんは、約半数の人が票を捨ててしまう「選挙」というお祭りを一緒に楽しめる仲間だ。いつかどこかで、みなさんに会える日を楽しみにしている。
 その時、あなたが選挙の候補者になってくれていたら、これに勝る喜びはない。
 長い間お読みいただき、本当にありがとうございました!

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2020年3月の熊本県知事選挙から2021年8月の横浜市長選挙まで、新型コロナウイルス禍に行われた全国15の選挙を、著者ならではの信念と視点で、丹念に取材した現地ルポ記。

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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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