2021.11.30
【動画つき独占インタビュー】れいわ新選組・山本太郎代表「来年7月の参議院議員選挙で議席を2ケタに乗せたい」
「魔法の杖」はないので、地道にやるしかない
畠山
れいわ新選組は特定の組織や団体からの支援を受けていません。山本代表は「日本史上初の市民政党」と言っていましたが、どうやって育ててきたのでしょうか。
山本
自分たちが「育てた」という思いは一切ありません。みなさんに育てていただいたおかげで5議席の政党になれた。そういう感覚です。おかげさまで、選挙という「祭り」に乗っかってくれる人はだいぶ多くなってきました。
畠山
れいわ新選組の街頭演説を見に行くと、他の政党とは参加している人の雰囲気が違います。とにかく熱い。プラスのエネルギーもマイナスのエネルギーも充満している。強烈な「アンチ」も引き寄せてしまう力がある。
山本
一番の問題は「祭り」じゃない時期にどうやって力を貸してもらうかです。私たちが常々、「一緒にやりましょう」と言い続けているのは、そういう普段の活動です。
畠山
熱心なボランティアの人たちが多いのを見て、「やりがいの搾取だ!」と批判的な目を向ける人たちもいます。
山本
私は「やりがいの搾取だ」とは思っていません。「獲得目標は何ですか」という話です。それぞれが目指したいもの、実現したいことに向かって一緒にやっていく。その人の空いた時間で、とにかく継続しながらつながっていくことが大切だと思っています。
畠山
どんなことをしているんですか。
山本
いろいろな形があります。たとえば街中でのポスター貼り。それから、自分の知り合いに対して、日常的に政治の話をしていく。気軽に政治の話をしていいんだという空気を作っていく。実は今回の総選挙が終わった後、最初に動き出したのはボランティアの方々でした。「新しいポスターをすぐに貼りに行きたい」「今、熱が残っているうちにポスターを貼り替えに行かなきゃダメなんだ」というふうに、ボランティアの方々が自主的に動いてくださっています。そして、党にいろいろな提案をしてくれています。
畠山
「やりがいの搾取」という言葉には、「政党が上で市民が下」「市民は政党に従っていればいい」という発言者側の意識が透けて見える。れいわ新選組の場合は違いますか。
山本
みんな、「れいわのために何かをやりたい」わけじゃないんですよ。自分たちで「このままじゃ社会がヤバい」と考える中で、「選択肢として、れいわだろ」と応援してくださっています。
畠山
れいわ新選組のボランティアは熱心な人が多い。みなさん、日常的に「山本太郎」や「れいわ新選組」の話をしているんでしょうか。
山本
いやいや、いきなり「山本太郎」とか「れいわ新選組」っていう話をすると、ドン引きされますよ(笑)。まだまだ世間には知られていない。「とにかく変なことをやらかす奴らだ」っていうイメージを持たれている。100%間違いだとは言いませんが(笑)。
畠山
ドン引きされないための工夫はあるんですか。
山本
「山本太郎」や「れいわ新選組」という名前は最後の最後まで出さない(笑)。
畠山
ステルス作戦?
山本
まず、自分が一個人として、「政治に対してこう思っている」とか「こう考える」ということを友だちとやりとりをする。プレゼンする相手から「この人、物事わかっているね」とか「物の見方がなかなかまともだな」という信頼を獲得してから、最後の最後で、「れいわを応援しているんだ」と言う段取りですね。
畠山
いきなり「山本太郎」と言うのは、やっぱり刺激が強すぎますか?
山本
「うわっ! 目にくる!」みたいなね(笑)。たくさんのフラッシュの中で立ちくらみを起こすような症状が現れるらしいです。まずは「山本太郎」「れいわ新選組」というキーワードを出すまでの道のりをしっかりと舗装する。どういうアプローチをすれば広がっていくのか、ボランティアのみなさんがノウハウを共有し始めています。
畠山
かなりハードルが高いし、なかなかそういう動きができる人は少ない。ボランティアさん同士の戦略、戦術の共有は、どういう形で進めているんでしょうか。
山本
全国各地でボランティアとの方々との会合を開いています。だいたい、どこに行っても「印籠みたいなものはないのか」「魔法の杖はないのか」「切り札はないのか」って聞かれるんですよ。でも、残念ながら、そんなものはない。地道にやるしかありません。
畠山
気が遠くなりませんか。
山本
細かい政策の話をまったく受け付けない人たちも一定いらっしゃいますからね。「山本太郎」「れいわ新選組」という名前を聞いただけで、「あかん! 無理!」ってなる人が圧倒的に多い。そんなときには「創価学会方式でいきましょう!」と提案をしています。
畠山
それはどういう方式ですか。
山本
(手を合わせて)「お願いね〜。一生のお願〜い」と言う。相手から「何回目だよ」と思われても気にしない。とにかく状況を見ながら、こちらから投げる球をいろいろ考えた方がいいですよね、という話をみなさんとしています。