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選挙に出るリスクを冒さずに「選挙の実態」がわかるオススメ映画と書籍

20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。
 前回の第14回では、来週18日に告示される東京都知事選挙が候補者にとって「日本一コスパのいい」選挙である理由についてのお話でした。 今回は、選挙取材のプロである畠山氏がセレクトした、選挙関連のおすすめ映画や書籍を紹介。これらを観て読めば、東京都知事選、さらに今後の選挙が面白くなるはずです!

落選のダメージはあまりにも大きい

落選しない「選挙の鬼」を追ったノンフィクション『無敗の男』。
落選しない「選挙の鬼」を追ったノンフィクション『無敗の男』。

 いきなり選挙に出ると落選する。なにがなんだかわからないうちに選挙が終わる。
 これが長年選挙を取材してきた私の実感であり、動かしがたい事実である。
 私は数多くの新人候補を取材してきた。誰もが熱い思いを持っていた。しかし、落選した候補の多くは選挙中に「もっと早くから準備しておけば、もっとできることがあった」と私に選挙戦の自己分析を披露した。
 意外かもしれないが、落選しても立候補を後悔する人はほとんどいない。落選直後は落ち込んでも、自分に入った票数を確かめると清々しい顔をする。予想より少ない票数でも、知らない誰かが自分の名前を書いてくれたことを喜ぶ。そして再び私に言う。

「準備をしておいたほうが良かった」

 もちろん、周到な準備をして臨む候補もいる。そうした候補はたとえ落選しても、また次の選挙に挑戦する。しかし、熱い思いだけで突っ走った候補の多くは理想と現実のギャップに打ちのめされ、すぐには立ち上がれないほどの大ダメージを受ける。
 二度と選挙に出ない人もいる。意欲が復活する頃にはもう次の選挙が迫っていて、再び準備不足で臨んで落選してしまう人もいる。
 せっかく熱い思いで立候補したのに、あまりにももったいない。みなさんは自分がいつ立候補してもいいように、やはり選挙のことはちゃんと知っておいたほうがいい。

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新刊紹介

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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