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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」
20年以上、国内外の選挙の現場を多数取材している、開高健ノンフィクション賞作家による“楽しくてタメになる”選挙エッセイ。

前回の第15回では、選挙取材のプロである畠山氏がセレクトした、選挙関連のおすすめ映画や書籍を紹介しました。
今回のテーマは、もちろん選挙期間がスタートした注目の東京都知事選挙について。史上最多となる22名の立候補者を都民の方も、そうでない方もぜひしっかりチェックしてください。

史上最多の22名が立候補! 東京都知事選挙を楽しむための選挙公報と街宣スタンプ帳活用術

史上最多の22名が立候補した

 東京都知事選挙(6月18日告示・7月5日投開票)が始まった。

 日本の首都・東京の人口は約1400万人。予算規模約15兆円、日本のGDPの約2割を占める自治体のトップを決める選挙である。
 東京都知事選は、もともと立候補者が多い選挙だ。告示前は「新型コロナウイルスの影響で盛り上がらないのではないか」との予想もあったが、蓋を開けてみれば史上最多の22名が立候補した。
 東京都民は「こんなにたくさんいたら選べない」「この中から選べなんて、まるで罰ゲームだ」などと揶揄せずに、多くの候補者が立候補してくれたことを喜んでほしい。立候補してくれる人がいなければ、有権者は投票することもできないからだ。
 有権者にとって「選択肢」が増えることは決して悪い話ではない。すべての考え方に同意できなくても、自分の考えと重なる候補、刺激を与えてくれる候補が見つかる可能性がある。

 22名の候補者は、それぞれが個性を持っている。自分とは違う考えを持っていても、共感できたり、感心できたり、勉強になる視点を提示してくれたりすることもある。
 選挙はそのような「アイデアの宝庫」としてどんどん利用するべきだ。そして、「これはいい」と思うアイデアがあれば、すべての候補者に対して、「この政策はとてもいいから採用したほうがいい」と提案してほしい。社会で共有してほしい。これが「政策本位の選挙」を実現するための第一歩になると私は信じている。
 選挙は勝者を決めるだけの機会ではない。候補者と有権者が濃密なコミュニケーションを取る機会だ。社会を良くしていくために、候補者にも、有権者にも、選挙を骨の髄まで楽しんでもらいたい。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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