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第二次安倍政権発足から7年3カ月以上! 首相会見質問の回答から読み解く3つの重要事項

首相会見では原稿を映し出すプロンプターがこうして設置されている。(撮影/小川裕夫)
首相会見では原稿を映し出すプロンプターがこうして設置されている。(撮影/小川裕夫)

地方選挙の延期は特例法ですぐできる

 この質疑には大切なポイントがいくつもある。
 まずは「緊急事態宣言下での選挙」についての安倍首相の見解だ。

・民主主義の根幹である選挙は『不要不急のもの』ではない。
・基本中の基本である選挙は、できる限り実施していく。

 簡単に言うと、新型コロナ禍は「国難」だが、「延期は考えていない」という立場だ。
 安倍首相は4月7日の参議院議院運営委員会においても「選挙の延期」に否定的な考えを示していた。4月10日には、高市早苗総務大臣も閣議後の記者会見で同様の見解を示していた。そのことを知っていた私にとって、安倍首相が「延期をしない」と回答することは、十分に予想できたことだった。

 ここで、読者のみなさんに知っておいてほしいことがある。
 それは、「地方選挙の延期は不可能ではない」ということだ。

 東日本大震災の時には、「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」(平成23年法律第2号)が作られている。
 この法律は地方議員の任期と選挙期日の延長を定めるもので、延長の期間を「2月を超え6月を超えない範囲内において政令で定める日(特例選挙期日)とする」となっていた。

 東日本大震災が発生したのは2011年3月11日で、この特例法が設置されたのは3月22日のことだ。つまり、その気になれば、わずか11日で特例法を作ることが可能である。
 今回も、選挙を延期する気になれば、早々に特例法に向けた動きが起きたはずだ。
 しかし、今回はそれがない。だから私は「延期するつもりはないのだな」と予想していた。私がした質問は、安倍政権の姿勢を改めて公の場で確認するためのものだった。

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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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