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デュアルライフ的、スローなワークスタイル。僕はどうしてフリーの原稿書きになったのか?

「マイワークスタイル3.0」の本質は、余白を意識した働き方

フリーランスという働き方は、不安との戦いです。
生来のいい加減な性格の僕でさえ、とにかく目の前に死ぬほどたくさんの仕事を積み上げ、愚直にワッセワッセとこなしていなければ心配で仕方なかったこともあります。
毎月一定収入が保障される会社員とは違い、自分が受けた仕事の分しか収入が得られないフリーランスは、仕事が減るのが恐怖なのです。

特に僕のような会社員から独立したケースでは、会社員時代と同等以上の収入を得ようと躍起になり、つい自分のキャパを超えるほどの仕事を受けてしまいがちなのだそうです。
その挙句、すべてが手詰まり状態になって精神的に崩壊するケースも多いのだとか。

日本人は仕事でスケジュールを埋めるのは得意なのに、余白を作るのが苦手すぎると指摘する人もいます。
しかし、そもそも人の脳は野球選手の肩と同様に消耗品であり、仕事で使いすぎると寿命が早く尽きるそうです。
また、人が本当に集中力を持続できるのは1日せいぜい4時間までで、それ以上はいくら頑張っても生産力は上がらないとも言われています。

フリーランスになって10年以上が経過し、ワークスタイルも2.0から3.0に進化した僕は、我が経験からそうした説に共感するようになりました。
もちろん一定収入の確保は必須ですが、それをクリアできたなら、最近は“脳に余白を残す”仕事の仕方を意識しています。

いつでもどこでもできる仕事を持ち、明日できることは今日やらず、脳に余白を残しながら、そこそこの収入を得て死ぬまで働く。
多分これが僕の「マイワークスタイル3.0」の本質です。
デュアルライフとも相性が良く、正解に近いスタイルなのではないかと思っています。今のところは、ですが。

この原稿は、熱波を逃れるためにやってきた山の家でソファに座り、クッションの上にマックを置いてゆるゆると書いています。
やはり東京とは違い、夜になってからはとても涼しい風が入ってくるので快適そのものです。

山の家でゆるゆると原稿を書くのは楽しい仕事
山の家でゆるゆると原稿を書くのは楽しい仕事

記事が続きます

連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから
本連載は隔週更新です。次回は7/20(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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