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デュアルライフ的、スローなワークスタイル。僕はどうしてフリーの原稿書きになったのか?

東京生まれ、東京育ちの“シティボーイおじさん”が、山中湖畔に中古の一軒家“山の家”を購入! 妻、娘、犬とともに東京←→山梨を行き来する2拠点生活=「デュアルライフ」をはじめました。 音楽や読書など山の家での趣味活動から、仕事やお金のやりくりといった現実的な話題まで、 著者が実体験したデュアルライフのリアルを綴ります。 別荘暮らしが優雅な富裕層の特権だったのはもう過去の話。 社会環境や生活スタイルが大きく見直されている今、必読のライフエッセイです。 前回は蚊にブヨにアブ…虫に刺されやすい体質の佐藤さんが山の暮らしで見つけた最強の撃退法についてのお話でした。 今回は、猛暑が続く灼熱の東京を避け、標高1000メートルの(涼しいはずの)山中湖村に向かう筆者。改めて現在のワークスタイルに到達した過程を振り返ります。

150年に一度の大熱波から逃れるべく東京から山の家へ。しかし……

どうも日本中がちょっとおかしくなったようで、僕が住む関東地方も、例年よりはるかに早い6月27日(月)に梅雨が明けてしまいました。
お天道様はもっと前からなぜかテンションMAXで、6月25日(土)以降ずっと、日中35℃超えの“猛暑日”、夜間25℃超えの“熱帯夜”が続いています。

想定外の駆け足でやってきた真夏の猛暑に、僕は早くもバテ気味。
暑いのは自分だけではないとはわかっていながらとても我慢できず、一刻も早く涼しい“山の家”に逃げ込まなければと考えていました。

その週の前半はいろいろ予定が詰まっていたのですが、水曜日(6月29日)の午後イチに、東京・青山のおしゃれカフェで、おしゃれモデルにおしゃれインタビューをするというおしゃれ仕事さえ終われば、残りはすべてデスク上で完結できることばかり。
ネットにつなげたMacとiPadがあれば、どこでやっても変わらない仕事ですから、ヒートアイランド現象でクソ暑い東京にいる必要はありません(暴言すみません。暑すぎるのが悪いのです)。

都心の会社に勤める妻や、公立中に通う娘は週末にならなければ東京を離れられませんが、フリーランス稼業の僕は、文字通り自由の身です。
「妻よスマン、娘よスマン、二匹のわんこよスマンスマン」と心の中で詫びながら、一人東京をあとにし、山梨県・山中湖村の我が“山の家”へ向かいました。

東京から山中湖へ行くときは、単独行のときも基本的に自動車なのですが、妻に車を使う予定があったので、今回は高速バスで向かいます。
山の家は、車がなければコンビニにも行けません。
でも現地には、“セカンドカー”と呼ぶにはあまりにもアレな、込み込みアンダー25万円で買ったポンコツ軽バンを置いてあるので大丈夫です。

新宿南口のバスターミナル「バスタ新宿」から、15時15分発の高速バスに乗って出発。
終点の山中湖畔に着いたのは、17時40分頃でした。

平日午後の山中湖行き高速バスはガラガラだった
平日午後の山中湖行き高速バスはガラガラだった

そのバス停から我が家までは、Googleマップで調べたら徒歩約40分と出ましたが、僕はタクシーを呼ばず、あえて歩いて向かうことにしました。
山中湖村は避暑地です。時刻は夕暮れ、快適なウォーキングが楽しめるかもしれないと思ったからです。

ところがそれは誤りでした……。
歩き始めて10分ほどで、額には玉のような汗が噴き出してきました。
実はバスから降り立ったときから、薄々気づいていたのです。
山中湖、あんまり涼しくないやん!と。
スマホのアプリで現在気温を調べてみると、26℃でした。
東京に比べたらずっとましではありますが、え? という感じです。
標高1000メートルに位置する高原の夕方なのに。

汗だくになりながらたどり着いた我が家近くで、たまたま顔を合わせたご近所さんから聞いた話によると、山中湖村もここ数日、日中は「ちょっと異常なほど」暑かったそうです。
報道によると、日本全体を襲った6月末の大熱波は、約150年に及ぶ日本の気象観測史上最悪のものだったのだとか。

込み込みアンダー25万のセカンドカーは車中泊仕様
込み込みアンダー25万のセカンドカーは車中泊仕様

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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