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佐藤誠二朗「CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。」

都会では犬のオシッコ禁止に? 愛犬家よ、デュアルライフがおすすめです

散歩に持っていくのはスコップひとつだけ。まだまだゆるい時代だった

その頃になると、東京の田舎である東久留米市にもたくさんの家が建ち並ぶようになっていたので、犬を放し飼いにすることなどもちろんできません。
でも、柴のような野趣あふれる犬種を屋内で飼うというのも考えられなかったので、犬小屋は庭に置いていました。

散歩するときに持っていくのは小さなスコップひとつ。
ウンチをしたらスコップで少し穴を掘り、土の中に埋めておしまいです。
そもそも舗装路の上ではあまりしたがらない犬でしたが、万が一アスファルトの上でしてしまったときは、スコップですくいとって土がある場所まで持っていき、やっぱり埋めてしまいます。
当時の犬の散歩は、みんなそんな感じでした。

そしてオシッコは、特段何もケアしません。
犬がオシッコをしたがる場所なんて大体決まっているし、一雨くればどうせ流れてしまうのだからと、誰も気にしていなかったと思います。
いま考えてみると、まだまだゆるい時代だったのです。

僕の二番目の犬は、チコ没後1年目にペットショップから連れてきた、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのベルでした。
チコが死んだ悲しさから「もう犬は飼わない」と一旦宣言した母でしたが、やはり犬好きの性分は治りません。
たまたま家の新聞に折り込まれていたペットショップの広告を見て、僕に「この犬を連れてきて!」と頼んだのです。

ベルはいわゆる“バーゲンドッグ”で、そのチラシに掲載されていた写真の横には、「特価10万円!!」の文字が踊っていました。
昨今は犬猫の生体販売自体も慎重に扱われるべきと認識されるようになりましたが、1990年代半ばはまだそんな雰囲気だったのです。

二代目・マイドッグのベルさん
二代目・マイドッグのベルさん

そして現在の我が家にいるのは、僕の生涯3番目の犬、トイ・プードルとヨークシャ・テリアのミックスドッグ、クウです。
ペットビジネスの暗黒面が露呈される今の時代、“意識の低い人”扱いされそうであまり大きな声では言えませんが、クウはホームセンターのペットコーナーで展示されているのを見て妻が惚れ込み、購入した犬。
こいつもまたバーゲンドッグで、定価20万円の2割引き、つまり16万円でした。

恐らく近い将来、日本でも生体展示販売はなくなるでしょうし、僕もそう願っています。
だからクウは僕にとって、そういう悪しき手段(もちろん犬が一番の被害者)によって縁を結んだ最後の犬になるのだと思います。
そしていつか自分の孫に、「おじいちゃんが昔飼ってたクウは、お店に並んだ透明の箱に閉じ込められていたんだよ」と話し、すごい時代だったんだねと驚かれることになるのだと思います。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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