2022.1.19
家族3人5泊6日で約14万円! 意外とコスパのよいレンタルキャンピングカーの旅
キャンピングカーは自分にとって大事なものすべてが詰まった走る玉手箱
年明けの瞬間は、家族とともにキャンピングカーの中で迎えました。
場所は栃木県矢板市の「道の駅やいた」駐車場。
周囲にはうちのほかにも数台のキャンピングカー、そして軽自動車から大型のワゴンまで何台もの車中泊組が停泊しています。
きっとそれぞれの車内では、家族や友人たち、恋人同士、あるいはひとりの人もいるかもしれませんが、思い思いに年越ししているのでしょう。
袖振り合うも他生の縁、「道の駅やいた」くんだりでたまたまお隣になった、横浜ナンバーのハイエースの中はどんな様子だろう? と勝手に想像したりします。
我が家のキャンピングカーの中にテレビはありません。
でも、モバイル環境で放送をほぼリアルタイムに視聴できる「NHKプラス」に入っていたので、タブレットとアプリを駆使する最新スタイルで、『紅白歌合戦』から『ゆく年くる年』を観るという、トラディショナルな大晦日を過ごしました。
そしてスマホが0:00:00の時刻を示した瞬間、妻、娘、犬と順にハイタッチし、「あけましておめでとー‼︎」とひと盛り上がり。
その後すぐに家族と犬はぐっすり眠ってしまいましたが、日頃から不眠傾向の僕はなかなか寝つけず、一人で車外に出て電子タバコなどふかします。
外はちらちらと雪が舞い、凍てつくような寒さ。
どこかから除夜の鐘でも聞こえてこないかと耳をすましましたが、雪の夜らしくシンと静まっていて、時折通り過ぎる車の音以外、何も聞こえてきません。
しばし遠くの雪山など眺めたあと、我が家のキャンピングカーに視線を移します。
思えば、この大きな箱の中に、今の自分にとって大事なものほぼすべてが積まっているんだなーと思うと、温かい気持ちになってきます。
キャンピングカーってある意味、走る玉手箱みたいなものなのです。
なんてことを考えていたらお尻のあたりがムズムズしてきたので、思考を逸らします。
そういえば民放各局もかつて、大晦日から新年にかけて統一番組の『ゆく年くる年』を放送していました。
チャンネルをいくら変えてもNHK以外は同じ画面が映るあの民放合同放送も、“年越しくらいはノーサイド”というスペシャル感を演出していてよかったのにと懐かしく思い出します。
調べてみたところ、民放統一『ゆく年くる年』は1988/89年の放送で終了したのだとか。
そうか、浪人生だった僕が受験を間近に控え陰鬱とした気分を抱えていたあの年、そして昭和天皇が病に臥せ、日本中に自粛ムードが漂っていたあの年の回をもって、民放版『ゆく年くる年』は終わりになったのか。
その数日後に昭和天皇は崩御して時代は平成へと移り、その数ヶ月後に僕はなんとか潜り込んだ大学に入学することになります。
そんな昔のことをしみじみと思い出したりするのも、年末年始の特別な空気感と旅情ゆえのことなのでしょうか。