よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。

霊力を持つ伝説の植物・ヤドリギでクリスマススワッグ作ったよ

いにしえのヨーロッパから伝わるUnder the Mistletoe伝説とは

オリジナルの趣旨は尊重しつつ、独自の解釈を加えながら異常進化した和風クリスマス文化ではなぜか抜け落ちていますが、欧米ではクリスマスといえばヤドリギ、ヤドリギといえばクリスマスです。
ヤドリギは英語でmistletoeと表します。
古きはフランク・シナトラの「Mistletoe and Holly」(1957年リリース)、新しきはジャスティン・ビーバーの「Mistletoe」(2011年リリース)、ともにクリスマスソングです。

クリスマスにモミの木のツリー、ヒイラギのリース、ポインセチアの鉢植えを飾る文化は日本でも一般的ですが、欧米のクリスマスでもうひとつ忘れてはならないのが、ヤドリギのスワッグ(壁飾り)なのです。

「宿木」はまだいいとして、「寄生木」などという寄生虫か寄生獣(©️岩明均)のような不気味な文字が当てられている日本では、そんなふうには感じにくいかもしれませんが、欧米人はヤドリギ=mistletoeに対し、特別な感傷を抱いています。
昔の人は、葉のなくなった冬木の中に青々と茂るヤドリギから、永遠の生命あるいは不思議な霊力のようなものを感じ取ったのでしょう。
ケルトをはじめとするヨーロッパ各地で土着信仰の対象となり、ヤドリギは今も特別で神聖な木と認識されているのです。

クリスマスにヤドリギを飾る風習も、そうした伝統的な信仰心から生まれたものですが、ヤドリギスワッグはあちらの若い男女にとって、また違うスペシャルな意味を持っています。
映画『ハリー・ポッター』の中でも描かれているように、イギリスで生まれた“クリスマスにヤドリギの下でキスをすれば、その男女は神から祝福される”という考えを発展させ、ヤドリギは恋の駆け引きの重要な小道具とされているのです。
「クリスマスにヤドリギの下にいる人は、キスを拒むことができない」とも解釈されているため、小さなヤドリギスワッグを持参し、お目当ての彼女の頭の上に差し出してキスを迫る男もいるとかいないとか。

1905年のクリスマスカード/Rawpixel Ltd/flickr
1905年のクリスマスカード/Rawpixel Ltd/flickr

まあ僕なんかは、そんな甘酸っぱい恋の駆け引きなど遠い昔に置き忘れ、いい歳こいた純ジャパオヤジですが、山中湖村であちこちに自生しているヤドリギを見ていたら、だんだんとクリスマススワッグなるものを自作してみたくなってきました。
52歳のおっさんをもそんなやや乙女チックな気持ちにさせてしまうなんて、それもまたヤドリギの霊力のなせる技なのでしょうか、なんつって。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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