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CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。

真夏の大冒険! 湖上で楽しむ最強のウォーターアクティビティとは何か?

なぜかテレビ視聴時間が長くなる山の家。マイブームはネットフリックスで寅さん鑑賞

閑話休題。
東京の家で暮らしているときには、テレビをあまり見ません。
若者のテレビ離れなどと言われて久しいですが、おじさんも昔に比べるとずっとテレビから距離を置いています。
もちろん最新情報収集のために、ニュースや朝の情報番組を見たり、ピンポイントでお気に入りのドラマやバラエティを見たりすることはありますが、一日中とりあえずテレビをつけっぱなしにするというようなことは一切ありません。

ところが山の家で過ごしている間は、東京にいるときに比べてずっと長くテレビをオンにしている気がします。
基本的に仕事などに追われていないゆったりスケジュールのタイミングで来ているという理由が大きいのでしょう。
東京では隙間時間にタブレットやPCでサクサクと見ることが多いサブスク映画も、山の家では家族揃って楽しめるタイトルを選び、大画面のテレビで鑑賞します。

最近のマイブームは、ネットフリックスで全タイトルが揃っている『男はつらいよ』です。
親が好きだったため映画館へ連れていってもらったり、テレビで放送されたものを録画したVHSビデオが家にあったりしたため、一通り観たことはあるのですが、山の家のテレビで第一作から順に見返してみたら、どっぷりハマってしまいました。

車寅次郎こと渥美清
車寅次郎こと渥美清

『男はつらいよ』を観ていると、新鮮な驚きの連続です。
今となっては炎上間違いなしの、反社会的勢力に片足を突っ込んでいる男が主人公というのがまずありえないのですが、詰め込まれたギャグが制作から50年以上経過した今でも十分に笑えるのも驚きです。
落語と同様、きっと日本人のDNAに刻まれているような笑いのツボが押さえられているのだと思います。
僕の生まれ年である1969年公開の第1作から、1972年公開の9作目までしか観られていませんが、映画の中に映されたその頃の日本の慎ましやかな庶民の生活や東京の街並み、旅先の汽車や民宿などの風情も、まるで異国の風物を見るような気持ちで楽しむことができます。

そして初期『男はつらいよ』で特筆すべきは、寅さんの腹違いの妹・さくら役である倍賞千恵子のけなげな美しさです。
子供の頃に見ていた際には、自分の母親と同世代である彼女に何も感じるものはなかったのですが、この歳になって若き倍賞千恵子を見ると、実に胸に迫るものがあります。
ウィキペディア情報によると、テレビドラマシリーズからはじまった『男はつらいよ』の企画段階での仮タイトルは『愚兄賢妹』。
愚かな兄=寅次郎と賢明な妹=さくらの対比が最大のテーマとなる話だったわけです。
そんな賢くて美しく、慎ましやかで明るく、兄思いの優しい妹を演じる俳優として、山田洋次作品でスクリーンデビューをしていた“下町の太陽”こと倍賞千恵子以外は考えられなかったのでしょう。

諏訪さくら(旧姓・車)こと倍賞千恵子
諏訪さくら(旧姓・車)こと倍賞千恵子

などと頼まれもしていないうえに、とっくの昔に語り尽くされている寅さん論を、薄口で書き連ねてもしょうがないのですが、いまの僕の山の家生活、夏の夜長に欠かせなくなっている『男はつらいよ』について、どうしても書いておきたかったのです。
ちなみに中一の娘にも無理やり観せてみましたが、寅さんが葛飾柴又のとらやに入りづらそうに帰ってくる超ワンパターンのくだりなどで、声を出して笑っていました。
やっぱり普遍の面白さなのでしょう。
偉大だな〜。

連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから
本連載は隔週更新です。次回は9/1(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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