2021.6.9
シカの角を探しに入った山の中で、発見した超・意外なモノとは
妻が倒木の下で発見したのは、シカの角でも骨でもなく……
頼みの綱であった犬が戦力外となったら、もはや我が家はただの木偶の坊集団。
それでも頑張って目を凝らし、枯れ枝や枯葉に紛れて落ちているかもしれないシカの角を探します。
うたえもんさんの指し示す先には、シカが角で木の皮を削った跡やイノシシのフン、いささかグロいのでお見せできませんが、まだ肉のついている小鹿の死骸などが次々と現れ、獣の気配は一層強くなっていきます。


またあるポイントで、他の参加者がシカの脚らしき長細い骨を発見。
すると我が娘はすかさず同じエリアを探索し、小さな骨のカケラを拾い上げました。
でかした! これで我が家もボウズだけは免れました。
普段であれば「これ、あげる」と言われても間違いなくお断りするような、文字通りどこの馬の骨ともわからぬ小さな骨片ですが、何かすごい宝物を見つけたような気分になりました。


「よし。次はいよいよ角だ!」と、さらに真剣に探すこと約10分。
今度は妻が倒木の下に何やら発見したらしく、大きな声で騒いでいます。
駆けつけると、そこには意外なものがありました。
ドローンです……。

プロペラやアームが折れて無惨にひっくり返っている、明らかな墜落機体。
拾い上げてみると、ドローンの世界でトップシェアを誇る中国メーカー・DJI製でした。それも、フラッグシップモデルのファントム。
きっとコントロールを失ったかバッテリー切れになり、ここに落ちてしまったのでしょう。
僕はガジェット好きなので、一瞬「すげ!」と気持ちがアガりましたが、今回の探し物はこれじゃありません。
それにしても、持ち主は相当なショックだったことでしょう。
なんたって20万円もする、ガチなドローンですから。
妻ちゃんよ。エラいもの発見してしまったね。

そんなこんなで予定の2時間が終了しました。
我が家の収穫は、娘が見つけた小さな骨のかけらと、妻が見つけた墜落ドローンだけでした。
シカの角は発見ならず。無念。
でもツアー全体では、大きなシカの角一本と、いくつもの骨が見つかりました。
やっぱり、あるところにはあるんです。


個人的には不完全燃焼ですが、まあ、他の人が発見するのを見られただけでよしとしましょう。
うちは、ドローンを見つけたし。
やや困った表情のうたえもんさんから「これ、どうします? 持っていきますか?」と聞かれ、「いや結構です」と処分を託してきましたが。
参加賞は、シカの肉でこしらえた犬用ジャーキーでした。
たいして働かなかったくせに、愛犬クウは大喜びでたいらげました。まったくかわいいやつだ。

最後に、うたえもんさんから伝言です。
林道や登山道を外れた場所を歩くと、崖や獣(近くにはクマもいる!)など多くの危険要因があるため、勝手に山へ入りシカの角を探す行為は、決してしないでいただきたいとのこと。
THE HIGHEST PEAKのツアーは近隣住民や組長、有害駆除をしている猟友会の了承を得たうえで、ガイドが安全に配慮して催行しているのだそうです。
連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから。
本連載は隔週更新です。次回は6/23(水)公開予定。どうぞお楽しみに!