よみタイ

CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。

今日はハードオフ、明日はカインズホーム。山の家暮らしでも買い物はやめられないのだ!

中古レコードは「ハードオフに買いにいこう、ハードオフに買いにいこう!」

さて、どんなにマニアックな物件もネット通販で手に入るようになった頃からさらに時代は進み、今やあらゆるカルチャーコンテンツは、デジタルデータで入手できるようになりました。
僕も当然、電子書籍のKindle、それにApple Music、Spotify、Amazon プライムビデオ、Netflixなどのサブスクサービスと契約し、デジタルでコンテンツを楽しむようになっています。

しかし、何でもかんでもデジタルでオーライな社会になると、アナログ時代の“物体として保有する”感覚が恋しくなり、揺り戻しを起こすのもサブカルオヤジの厄介なところと言えましょう。

Apple Musicをほじくり返せば、聴くべき未知の音源はまだまだたくさん見つかるというのに、僕はビニールレコードの良さを再認識してしまいました。
そして何十年も前、音楽に目覚めた頃と同様に、中古屋さんでレコード探しをするのが、最近の大きな楽しみになっています。

マニアックなビニールレコードを取りそろえた中古レコ屋は、もちろん都会の方がたくさんあるので、僕のレコード発掘事業は東京にいるときの方がはかどります。
でも山の家で生活をしているときも、実はレコード探しがとても楽しい余暇の過ごし方になっています。

都会にほとんどなくて田舎にはあるサブカルオヤジの楽園、それはハードオフの大規模店舗です。
僕は山の家で暮らしている間、三日に一度は富士河口湖町にあるハードオフに赴き、店内で長い時間を過ごします。
レコードマニアの間では「エサ箱」と呼ばれる、1枚100円の均一価格で叩き売られているコーナーが、僕のおもな生息地になります。

「エサ箱」と揶揄されるが、僕には宝の山に見える。
「エサ箱」と揶揄されるが、僕には宝の山に見える。

ハードオフ店内には、キレイに並べられている正規のレコードコーナーもあって、そちらには内外の人気アーティストのレコードがそれなりの値札をつけて並べられていますが、思わぬ掘り出し物があるのは断然エサ箱の方なのです。

エサ箱のレコードはジャンル分けもされず、検盤もされず、買い取られた状態のまま無造作に詰め込まれていて、ほこりをかぶったまま、なかば放置されています。
魚河岸のトロ箱のようなボックスに何十枚も入れられ、棚に突っ込まれているので、それをひとつずつ引き出して好みのレコードを探すのは、なかなか骨の折れる作業です。
いつしかほこりで手は汚れ、アレルギー持ちなので鼻水と涙があふれてきます。
それでも掘り出し物を求めてエサ箱をあさり続けるさまは、まさにブタのように見えるかもしれませんが、当の本人にとっては至福のひとときなので、ほっといてください。

中古レコードというものは、店の立地によって品ぞろえに特色が出るのも面白いところです。
富士五湖周辺は別荘が多いため、かつて“別荘族”と呼ばれたお金持ちの紳士淑女が収集した末に放出したと思われる、イージーリスニング系、AOR系、ジャズ系などのレコードが充実しています。

一旦ハードオフに足を踏み入れればキリがないので、僕は「10枚まで」と決めて、そうしたレコードの発掘作業に勤しみます。
ジャンク品扱いのエサ箱レコードは、レジで2割引きにしてくれるので、千円札一枚を出すとお釣りがきます。
こんなに楽しいこと、なかなかやめられません。

サブカル流田舎ライフは、まだまだ続くのです。

我が憩いの地、富士のふもとのハードオフ。
我が憩いの地、富士のふもとのハードオフ。

*連載初回「東京で生まれ東京に骨を埋めると思っていた僕が、デュアルライフを選んだ理由」はこちらから
*本連載は隔週更新です。次回は3/3(水)公開予定。どうぞお楽しみに!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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