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結婚は「守る守られる」ではなく「一緒に頑張る、乗り越える」へ

『愛の不時着』に見るカップルの関係性

ここまでの話だと、結婚後の自分の幸せは相手次第となってしまう。
先ほど、この世の中は不安定で、将来どうなるかわからないと言った。
誰にもわからない。
もはや結婚すれば相手の収入で暮らせて安泰なんて時代でもなくなった。

「あなたを幸せにする。あなたを守る」
プロポーズを受けたあなたも相手に対して、このように思わなければならない。
受動ではなく能動である。
というか、幸せにできる。守ることができるという自信、根拠を女性側も持って結婚しなければならないと思う。
もちろん、妻側の方が経済力も生活スキルも高い、あるいは対等な夫婦もたくさんいる。しかしやはりまだ、妻として「養われる」「守られる」の「~られる」側の意識である女性が少なくない。時代が変わって、若い世代でもこの部分、なかなか変わらない国であるのが現実だ。

男女関係ない。お互いがどんな状況になってもお互いを幸せにする。守るという気合をもって臨まなければならないのが結婚ではなかろうか。もちろん経済面だけだはなく、精神面でもそうだろう。
現実的に考えれば、一生誰かを守るというのは難しい話。
それよりも、一生、一緒に頑張ろうと言ってくれる相手の方がよっぽど冷静で現実的である。

今、私は人生で初めて韓流ドラマにはまっている。
Netflixで配信されている『愛の不時着』だ。

今さら私があらすじを語る必要もなかろうが、韓国の財閥令嬢と北朝鮮のエリート将校の恋愛ものだ。注目するのは、女の経済力と行動力、エリート将校として仕事もきちんとこなしつつ、さりげなく家事能力(この令嬢に手作りの麺料理や丁寧に淹れたコーヒーを供したりする)。そして、どちらかが命に関わるような難局に陥ったときに、助け合うのである。体を張って。
まあ、もちろんファンタジーで作り話だから、現実に引き寄せすぎてもとは思うのだが、ここにカップルとしての理想型も見える気がする。

ドラマの後半で、「君に白髪が生えて、しわができて、老いていく姿をみてみたい」
こんなセリフがあった。
すばらしいセリフである。
長く一緒にいて「助け、助けられ」「支え、支えられ」ができる相手と思ってこその言葉だろう。

そして、『愛の不時着』沼にどっぷりとはまった日本の女性たちよ。
ヒョンビン(北朝鮮将校を演じた俳優)のかっこよさに見とれているだけではなく、
自分も相手(夫)を助けられる女性になろうではないか。経済的にも精神的にも。
現在、結婚後も働く女性が増えてきているが、まだ言わせてほしい。
男性に守られる、じゃなくて、家族を守ると、能動的になってほしい。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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