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田村麻美「ブスとお金」
タイトルのインパクト、著者の顔写真がカバー、そして何よりその画期的な内容で話題となった『ブスのマーケティング戦略』。
「東京都足立区で一番気さくな(自称)」税理士、お金の専門家の田村麻美氏が伝える女性たちへの経済指南――仕事を持ち自分の自由になるお金を得て、人生の舵を自分自身で取るために、今からできること、心がけることとは。物心ともに豊かな日々を送るためのヒント満載のエッセイ。
コロナ禍で職環境が激変、各家庭の経済的ダメージが深刻化する今、必読の好評連載。

将来を考えすぎてお金を使えない人と、今しか考えられずお金を使いまくる人

ブスとお金 第16回

欲しい時計を何年間も買わない理由

よいしの金は持たない。
お金は天下の回りもの。
という言葉がある。

私の友人に、宵越しの金は持つが、お金を回さない女がいる。
そこそこ稼いでいる独身の女性(37歳・経営者)なのだが、
華美な服装もせず、外食が多すぎるわけでもなく、とても堅実な人物である。
ATMからお金を引き出す際も、時間外手数料がかかるなら、次の日の手数料がかからない時間帯に出直すような人間だ。
もはやそこまで堅実にならなくてもいいくらい、堅実な女性である。

そんな彼女がめずらしく「〇〇の腕時計、欲しいなあ」と呟いた。
その腕時計のお値段は、〇〇万円。10万円以上100万円以下のものであった。
ブランドものに全く興味のない私からすれば高いし、ブランドものばかり購入している方からすれば、もしかしたら安いと思うかもしれない時計である。

重ねて言うが堅実な彼女である。
悩んでいた。
私なら絶対買わない値段の時計であるが、人と会うことが多い彼女の仕事柄や、30代後半という年齢を考えれば、分不相応でもないし購入してもいいのではないか?
長く使えるものであろうし(また、彼女の膨大な貯金額を知っているので)私は彼女の背中を押した。
しかし、彼女は数年経った今も購入していない。

先日、「あの時計、買わないの?」と聞いてみた。
「やっぱり、なくても困らないし。いつまでこの収入が続くかも心配だし。老後のために貯めるわ」
彼女は定年のない自営業である。できる限り働き続けるといっているが、65歳までに〇億円貯めるという目標設定をした上で、日々生きている。

彼女のこの考えに疑問を持つ方も一定数いるであろう。
明日、ぽっくり死んでしまったら、がんばって貯めた貯金も使えないことになる。
そんな人生つまらない。
慎重派な彼女をそのように見る方もいると思う。
何のために生きているのか、と。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(2018年12月刊/文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
http://tamuramami.com/

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