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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ユニクロ×ピーター・サヴィルのコラボアイテムは大人買いして当然

ユニクロのコラボアイテムにはときどき魅力を感じるけど、今回ほど強烈に胸を射抜かれことはなかった。
6月24日に発売されたピーター・サヴィルとのコラボライン「DATALIFE」だ。

ピーター・サヴィルはイギリスのデザイナー。
マッドチェスタームーブメントの中心となったインディーズレコードレーベル、ファクトリー・レコードの創設者兼インハウスデザイナーとして数々の作品を世に送り出し、地元・マンチェスターのダンサブルなロックが世界から注目される礎を築いた人物。

アートワークを手がけたアーティストは、ファクトリー・レコード所属のジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダー、ハッピーマンデーズ、それにファクトリー・レコード以外からも、バウハウスやウルトラヴォックス、スウェード、パルプなど多数。

なかでも一番有名なのは、1979年に発表されたジョイ・ディヴィジョンのファーストアルバム「アンノウン・プレジャーズ」のジャケットだろう。
黒地に白線で何本もの波形が描かれたそのデザインは、1967年に世界で初めて発見されたCP1919というパルサー(パルス状の波を発する天体)を表している。
天文マニア以外にはなんのこっちゃという話だし、ここを無理に解説していくとドツボにハマる予感しかしない。まあそういうものだと、うっすら理解すればいいと思う。

小難しくてうっすらとしか理解できないけど、無条件にかっこいい!

ユニクロはそんな天才デザイナーと、これまで何度かコラボをしてきた。ただしそれはグラフィックデザインをプリントしたUTシリーズのTシャツで、本格的な服は今回が初めて。
メンズウェアとしては6月にスポーツ用のドライ素材でTシャツ、ポロシャツ、ショートパンツが発売され、8月にはポケッタブルパーカが追加される予定とか。

学生時代、リアルタイムでマッドチェスタームーブメントに遭遇してハマった身としては、この機会を逃す手はない。MBさんばりに、現時点でリリースされている全アイテムを大人買いしてみた。

服の全面に入るモワモワとした模様、ユニクロの公式コメントによると、“「コーヒーを作る」といった日常で起こる動きの要素をミクロの世界で覗くと美しく科学的な模様が現れることから着想を得て、これらの要素をヴィジュアル化し、ひとつのパターンとしてデザインする新たな試み「データライフ」を開発。〜中略〜 サヴィルは「毎日着られる服に描かれている模様が何か、という探究心を持って楽しんで欲しいです」とコメントしている。”とのこと。

この、理解できるようなできないような小難しさが、ピーター・サヴィルの持ち味!
そりゃもう、無条件にかっこいいんですわ!

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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