よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

レコード聴こうぜ!~実は一番コスパのいい音楽の聴き方なのだ

新しい物好きなので、音楽の入手方法はレコードからCD、配信そしてストリーミングへと、時々の先端のものへと移行してきた。音楽原初体験のレコードからは遠ざかっていたが、最近になって、アナログの魅力を再確認。家でレコードをかける時間が増えている。

アナログレコードの方がデジタルより音がいいのさ……。などとしたり顔で言うほど耳は良くない。目をつぶっている間にこっそりストリーミングの音にすり変えられても、多分気づかないんじゃないかな。
そもそもオーディオに凝っているわけではないので、アンプやスピーカーなんて適当だし、繊細なジャズやクラシックではなくてロック好きだから、音源の種類によってそんなに音の差はないと思う。

それでもやっぱりレコードがいいのは、情緒があるからだ。
さあ聴くぞと、棚からおもむろに一枚取り出し、埃がついていればクリーナーで掃除し、ターンテーブルに置く。電源をオンにして静かに針を置くと、ゴソゴソパチパチという特有のノイズの後にイントロがはじまる。
20分少々でA面が終わるので、ターンテーブルのふたを開けて盤をひっくり返し、再び針を落とすとB面のスタート……。
音楽好きになった頃に学んだ一連のややめんどくさい作法が、より深い音楽の世界に連れていってくれる。
もともと音楽なんて雰囲気で味わうものなんだから。

中古レコ屋のエサ箱とフリーマーケットで探せば格安で手に入る

いまの時代、もしかしたら良い音楽を一番安く楽しめる、コスパ最高の手段はアナログレコードじゃないかと思う。

中高生の頃には高いレコードがなかなか買えず、主にレンタルレコードのお世話になっていたけど、いまも新譜はほとんど買わない。中古レコ屋で掘り出すのが楽しいのだ。
プレミアがついているレア盤には目もくれず、マニアの間では“エサ箱”と呼ばれる、100〜数百円の格安コーナーから良い盤を見つけ出す。エサ箱だけ探しても、欲しいレコードはいつも無数にある。

もうひとつ、僕がよくレコードを探すのはフリーマーケット。
フリマ会場では、状態が良くて面白いレコードが見つかる。売っている人は、多分もうプレーヤーを持っていないのだろう。
投げ売り状態だ。
一枚100円程度で売っているので、10枚ほど選び、「まとめて買うから安くしてもらえません?」とお願いすると、700〜800円にしてもらえる。1枚あたり70〜80円。LP1枚に平均10曲入っているとすると、一曲あたり7〜8円なのだ!

中古レコードで最近の僕が重点的に狙うのは、1970〜80年代のAORやR&B、ソフトロック、シティポップなど。フリマは地域差が大きく、そうしたジャンルのレコードは、湘南あたりの会場でいいものがよく見つかる。

レコードは楽しい。
だから、この先もなくならないでほしいし、みんなももっと聴けばいいのにと思う。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

新刊紹介

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事