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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

アラフィフの手習いで楽器をはじめたい大人の男におすすめなウクレレ

楽器は好きでいろいろ買うのだが練習が長続きせず、どれもものにできなかったのだから情けない。
だが奇跡的にここ1ヶ月あまり毎日欠かさず弾いていて、徐々に上達してきた楽器がある。
すでに何曲か弾き語りできるので、もはや胸を張ってもいいレベルなのかもしれない。
「ウクレレが弾けます」と。

前にこのコラムで、妻や娘が習いはじめたのに乗じて僕のウクレレ熱も高まりつつあることを書いた。
その際に紹介した手作りウクレレもそれなりの音は出るのだが、やっぱりマジなウクレレには敵わないので、主にインテリアになっている。

僕が練習に使っているのは、愛知県江南市にある中西楽器というメーカーのウクレレ「Nancy」。
中西楽器の中西清一氏は日本屈指のウクレレビルダーとして名高かったそうだが、惜しくも2013年に亡くなっている。

約20年前に買った僕のNancyは、生前の中西氏が作ったものなのだろう。
焦げ茶色のオールマホガニー素材、温かみのある音色が特徴の素敵なウクレレだ。
今度ばかりは絶対、人様に披露できるくらい上手くなるまで諦めないと決意し、日々精進している。

ウクレレが都会住まいの人に向いている理由とは

僕の“ものにできなかった楽器コレクション”にはほかに、アコースティックギターとコルネットがある。
いずれもいつかはきちんと練習してものにしたいと思っているのだが、たまに出して弾いてみると「やっぱりダメだ」と思ってしまう。
理由は明快。
まじめに練習しようと思えば思うほど、大きな音が出るので近所迷惑になるのだ。

ウクレレの練習が続けられるのは、ここが大きい。
ウクレレはしっかり弾いても大した音量は出ないので、隣近所の迷惑を気にすることなく、いつでも心置きなく練習することができるのだ。
都会住まいの住宅事情から鑑みると、ウクレレは大人の男にうってつけの楽器なのかもしれない。

小さいのでどこにでも持っていくことができて、さっと出してすぐに弾ける。
この気安さもウクレレの利点。
常に持ち歩いて、気ままにポロンと弾いていると、どんどん可愛く思えてくる。

コード弾きが基本だが、弦は4本しかないので覚えやすい。
そのうえ、初心者でもちゃんといい音が出る。
「いとしのエリー」「雨あがりの夜空に」「イムジン河」「リンダリンダ」がだいたい仕上がり、今は小6娘とデュエットで「カントリーロード」の練習中。いつかどこかで誰かに披露したいと思っている。

ウクレレ、おすすめです。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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