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承認欲求型ヤリマン女〜尻軽にも色々学ぶことがある話
8月5日に、鈴木涼美さんの新刊『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図を読まない』が発売されました。 「よみタイ」でも大好評だった連載コラム、「○○○な女 オンナはそれを我慢している」「×××な男 酒と泪とオトコと美学」から厳選された30人の男女の話が1冊に! 令和を生き抜く現代男女の生態を、いまや各メディアで引っ張りだこの涼美さんが独(毒?)自の視点で分析します。 この刊行を記念し、連載コラムの中から著者みずからが「特に思い入れが深い!」と厳選した各篇を、その理由と画像(涼美さん自撮り!)とともに特別掲載。 毎週1篇ずつ、全6回の特別企画です! 今回は、スペースの都合で残念ながら書籍未掲載となったエピソードを一部再編集して、涼美さんのコメントとともにお届けします。

承認欲求型ヤリマン女〜尻軽にも色々学ぶことがある話

@鈴木涼美
ヤリマンにもいろんな種類がありまして、必ずしもセックスが好きとか男が好きとかいう訳でもない人たちもいますよね。

不特定多数の相手と性行為をするとか、出会ってまだ関係性がはっきりしないうちに性行為をするとか、単に経験人数が多いとか、金銭的な目的なくセックスするとか、一般的なヤリマンの定義にある程度見当をつけるのは可能なんだけど、それでもそういうセックス過剰という人にはある程度いろんな種類がいて、それぞれメンタリティや底にある目的に違いがある。

いわゆる肉食系女子なんていうものは実際あんまりいないし、セックス大好きなんていう人も滅多にいない。AVの面接とかインタビューシーンで出てくる「エッチなことばっかり考えちゃうんです」という台詞は、「とっととOK出して帰りてえな」という気持ちとともに吐かれている。

肉食系女子なんてほとんどいない
肉食系女子なんてほとんどいない

ヤリマンを最も簡単にジャンル分けしてみると、一応少数ではあるけど肉食系女子というかセックス大好きというか色んな人とセックスしてみたいタイプというか、そういう積極型と、断るのが苦手とかサービス精神を間違えてるとかその場の空気を壊したくないとか気まずくなるのが面倒くさいとか、そういう消極型とに分かれる。

誘惑タイプとサセ子タイプと言ってもいい。
何事も自分から手をあげたいアメリカン系とNOと言えない日本人系と言ってもいい。

ちなみに最近後者の消極型ヤリマンが、後になって「本当は嫌でした」「性的な嫌がらせをされました」と刺してくる事例が結構あるので、割と地雷多き人種でもある。

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鈴木涼美

すずき・すずみ●1983年東京都生まれ。作家、社会学者。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、東京大学大学院学際情報学府の修士課程修了。大学在学中にキャバクラ嬢として働くなど多彩な経験ののち、卒業後は2009年から日本経済新聞社に勤め、記者となるが、2014年に自主退職。女性、恋愛、世相に関するエッセイやコラムを多数執筆。
近著に『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』など
公式Twitter @Suzumixxx

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