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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

’80年代と変わらぬスタイルで営業するA STORE ROBOTのバッグが素敵

カジュアルな内輪の打ち合わせで軽く荷物があるとき、僕がよく担いでいくキャンバス生地の簡易的なショルダーバッグ。

少し前に流行り、女子を中心に猫も杓子も持っていた「DEAN & DELUCA」のロゴに似ているけど、写真をよくご覧ください。
「SEARCH & DESTROY」なのです。

SEARCH & DESTROYというのは、パンクのゴッドファーザーことイギー・ポップ率いるザ・ストゥージズが、1973年に発表した楽曲のタイトル。
47年前につくられたとは思えないほど超かっこいい曲なので、ご存知ない方はこの機会にぜひ聴いてみてください。

曲のタイトルをモチーフにしたこのバッグを販売しているのは、A STORE ROBOTだ。
原宿の中心部から少し千駄ヶ谷寄り、明治通り脇の細道にある小さなお店。
ひっそりとした佇まいだが、ここはかつてパンク・ニューウェーブ好きなのに知らない人はモグリと言われた伝説的ショップなのである。

最盛期は’80年代だけど、その後もマニアックなファンに支えられているのか、今も変わらず営業している。

いつまでも頑張ってほしいと思うので、応援する気持ちで買い物をする

ヴィヴィアン・ウエストウッドゆかりのセディショナリーズやワールズ・エンド、それにプラスチックス→メロンの故・中西俊夫がつくったタイクーン・トッシュというブランドの品などが多数取り揃えられているA STORE ROBOT。

僕は今でもときどき実店舗とオンラインショップをパトロールし、これはと思うものを見つけては買っている。
数年前にゲットした「SEARCH & DESTROY」バッグは、分かる人には分かってもらえるシャレの効いたナイスアイテムだけど、人とかぶったことは一度もない。
このマイナー感がまた良いところだ。

僕がサブカルに目覚めた1980年代にあったショップは、現在は8割がた、すでに閉店している。
“ファッションは世につれ、世はファッションにつれ”なので、最先端の店も時の流れとともに流行遅れとなり、やがて忘れ去られ寂しく営業終了するのが常。
このA STORE ROBOTのようにしぶとく続けているお店は、なかなか稀な存在だ。

いつまでも頑張ってほしい!
僕は応援するような気持ちで、ときどき買い物をしているのです。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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