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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

Q.飽きたジャケットを大復活させるには? A.ボタンを替えるべし!

僕はおもにストリート系ファッションとカルチャーに関する編集&ライティングの仕事をしているフリーランス野郎だから、カチッとした雰囲気の服はほとんど着ることがない。
新調するタイミングはどうしても必要な用事ができたときだけ、4〜5年に一度あるかないかだろう。

では、このブルックス ブラザーズの濃紺のジャケットはなんで買ったんだったっけ? と思い返してみると、そう、5年前の子供の小学校入学式のためだった。
写真スタジオで家族揃って記念撮影もする予定だったから、久しぶりにまともなジャケットでも買おうという気になったのだった。

ノンダーツのボックスシルエット、ナチュラルショルダー、段返り三つボタンという典型的なアメリカントラッドスタイルで、外付けパッチポケットというカジュアル寄りのディテールを持つこのジャケット。
どんなパンツにも合わせやすく、非常に使い勝手が良かったので、買って以来、仕事にプライベートにと重宝してきた。

ところが。
トレンドに左右されないオーソドックスな型だからいつまでも着られるだろうと思っていたのに、なぜかここのところ着ようという気が起こらなくなっていた。
簡単にいうと飽きてしまったのだ。
人間だもの。

地味な貝調ボタンから味のあるメタルボタンへチェンジしてお気に入りブレザーへ格上げ

もったいないことだなあと思った僕は、このジャケットを再び活用するために、ちょっとカスタムすることにした。
でもプロに発注したら、簡単なお直しでも数万円もの費用がかかる世界。
そこで、素人でもできるもっとも基本のカスタム法、“ボタンチェンジ”にチャレンジすることにした。

さっそく、東京・蒲田にある手芸の聖地、ユザワヤへGO! 目指すはボタン売り場だ。
平日昼間のユザワヤ。僕くらいの年齢の男性客はほとんどいないけど、んなこたあ気にしない。

もともとジャケットにはオーソドックスな貝調ボタンがついていたが、段返り三つボタン、パッチポケット、濃紺という特徴を活かす方向で考えると、メタルボタンに替えればいいのではないかと思っていた。そうすれば、ブレザーとして再生するはずだ。

売り場に無数に陳列されたボタンを、ひとつひとつ吟味すること小一時間。
傾向としては、日本製は手頃な価格だがいまいち面白みに欠け、少し値段は張るがイタリアやフランス製のボタンは、やっぱりかっこいいものが多いということがわかった。

悩んだ末、僕はフランス製の“ギターを弾く男”がデザインされたメタルボタンを購入。
値段は、大小ともに一個580円だった。
家に戻ってボタンを交換してみると、とてもいい出来栄え。
これは大成功と言ってもいいのではないだろうか? 早く着たいぜ!

飽きてしまったジャケットは、ボタンチェンジで復活を!
本当におすすめなので、是非お試しください。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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