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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

ユニクロのテーパードワイドパンツに似合う靴はブーツのみ

ユニクロの「EZYワイドフィットカーゴジョガーパンツ」というものを買った。

全体的なシルエットは、最近のメンズファッション界でトレンドとなっている超ワイドだが、ジョガーパンツなので裾はゴムで絞られている。
こうした、ワイドながらテーパード(先細り)のシルエットが、今春は熱いようなのだ。

ここのところ、若者を中心に足の上から下まで均等幅の超ワイドパンツが流行っていた。
僕も当初は、1970年代のノーザンソウルや1980年代のマッドチェスターの若者が好んで穿いていたバギーパンツみたいでいいじゃんと思ったけど、お店で試着してみたら、いい歳のおっさんにはなかなかキツいアイテムだということがわかった。

なんだか無理に若作りしていると取られそうだし、それに我々グリズリー世代はどうしても、昔のドカンを思い出してしまう。
ドカンを穿いた先輩にカツアゲされた中学生時代の苦い記憶が蘇る……、というわけでもないんだけど、「これ、どう見てもツッパリじゃん。果たしてかっこいいのか?」という疑問が湧いた。

でも、裾が絞られたテーパードのワイドパンツだったら、ミリタリーやワークアイテムに昔からよくあるシルエットだし、少しは穿きこなすのが簡単そうだ。
まあ、ドカンがボンタンになっただけという気がしないでもないが。

靴が際立つジョガーパンツにスニーカーはNG。くるぶしが隠れるブーツが好相性だ

ところが、家に帰ってきてコーディネートを試してみると、これもやっぱり手強いアイテムだということに気づかされた。
トップスの合わせ方はそんなに難しくもないのだが、問題は靴なのだ。

裾が絞られているタイプのパンツは靴が非常に立ってくるので、合わせるものは慎重に選ばなければならない。
いくつかのタイプを合わせてみた結果、まずスニーカーはNGだということが分かった。
ネット上に転がっているコーディネート例を見ても、総じてスニーカーを合わせている人は微妙な雰囲気だ。

スニーカーを合わせると妙に子供っぽく、必要以上に可愛らしい雰囲気になってしまう。
百歩譲って若い人なら許されるかもしれないが、おっさんがそんな路線を狙っても気持ち悪いだけだ。

レザーシューズの方がマシだが、鏡で見るとまだチグハグな感じがする。
分かった、くるぶしだ。くるぶしを見せてはいけないのだ。
とすると、このタイプのパンツに合わせるべき靴は、ブーツ一択ということになる。

ブーツを合わせてみると、どれもまずまず合格点をつけられる感じがした。
僕のワードローブの中では、ドクターマーチンのシンプルなブーツ、“タリブ”というモデルを合わせると一番しっくりきた。

パンツと靴の相性というのは、服を着こなす上で意外と重要なポイント。
もしよろしければ、何かの参考にしてください。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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