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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

帽子を軽く考えてはいけない。似合うor似合わないが明確に出るアイテムなのだ

グリズリー世代の諸兄は、いつもどんな帽子をかぶっているだろうか?

帽子選びは簡単なようで、実は非常に難しい。
アイウェアと同様、人の印象を決める際にもっとも強力な作用を及ぼす人体パーツ、“顔”というものに直接取りつける仕組みであるため、似合うor似合わないが非情なほど明確に現れるアイテムだからだ。

「こういうタイプの顔にはコレ」と明確に言えないのは歯がゆいが、人にはそれぞれ、被っていい帽子といけない帽子がある。

僕の場合は、
ハンチング…………………◎
ワークキャップ……………◯
ベースボールキャップ……△
ハット系全般………………×
ニットキャップ系全般……💀
ということになっている。

これは自覚もしているが、もっとも身近で毎日接していて、歯に衣を着せぬ批評をしてくれる妻と娘の客観的ジャッジなので、まず間違いないのだろう。

ハットとニットキャップとスーサイダルキャップは人前でかぶれない

敬愛するストーンローゼズのドラマー、レニのようにかっこよくハットをかぶりたいと望んでも、僕だと新種の昆虫を探しているおじさんにしか見えないらしい。
もっとひどいのはニットキャップで、どう見ても頭をケガして手当てした人なのだとか。だから人前ではかぶらないことにしている。

人前でかぶれない帽子といえばもうひとつ。
1980年代から活躍しているスケーター系USハードコアバンドの重鎮、スーサイダル・テンデンシーズ(“スイサイダル・テンデンシーズ”と呼ばれることが多いけど、僕は“スーサイダル”派)のバンドロゴがプリントされた有名なキャップだ。これはつばを跳ね上げて「SUICIDAL」の文字を見せるようにかぶるとかっこいい。
でもさすがにこの歳になると、いくらストリートおじさんとはいえご近所の目が気になる。好きなバンドだしどうしても捨てられないのだが、今はたまに家の中でこっそりかぶるだけだ。

最近のマイブームは、自分なりにもっとも似合うと思っているハンチングだ。
これからのシーズンは、ブリティッシュスタイルの定番、カンゴールの白ハンチングでいこうと思っている。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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