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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

昭和初期のスタンダード“一山メガネ”を大人の男にオススメしたい理由

“一山メガネ”をご存知だろうか?
一山(いちやま)というのはメーカーの名前などではなく、メガネの形状を示す言葉だ。

現代のメガネのほとんどは、レンズの内側か、レンズをつなぐブリッジ部に取り付けられた鼻パッドを、鼻梁の左右に当てて支える構造。
一方の一山メガネには鼻パッドがなく、直線状のブリッジを直接、鼻梁に乗せて支える仕組みだ。

シンプルな一山は古い形式のメガネで、1920年代くらいまで世界で盛んに作られ、日本では戦前まで主流だったという。
でも鼻パッド式の方が安定させやすいし、眼とレンズの距離を調整しやすいので、一山メガネはだんだん廃れてきたのだそうだ。

人を選ぶ、いや、鼻の形を選ぶ一山メガネだけど、適合する人には最高

それに日本人を含むアジア人の場合、顔のつくりの問題もあった。
白人のように鼻梁が高くない人が多いので、一本のブリッジを乗せるのは難しく、無理にかけてもずり落ちがちになるのだ。

かく言う僕は、おそらく日本人男性の平均より鼻がデカい。
それこそ白人のように、先端に向かっていい角度でスッと高い鼻ならいいのだが、付け根の部分ばかりが高い鷲鼻なので、顔面コンプレックスの一因だったりした。
でもこの鼻の構造、実は一山メガネをかけるのにうってつけなのだ。

自分の鼻には一山メガネが合うのではないかと踏み、白山眼鏡店で買ったものをよくかけていた。
飽きたのでしまい込んでいたのだが、なんだか最近、また使いたい気分になってきた。
久しぶりに装着してみると、やっぱり悪くない。
古いメガネだけに、顔面もややクラシカルな雰囲気になるが、今はなぜかそんな気分なのだ。

一山メガネも研究が進み、最近では日本人でもかけやすいタイプのものも出回っている。
全然、流行ってるわけではないけど、違いのわかる大人の男にはオススメ。
特に僕と同じ鷲鼻の持ち主にはぴったりなので、我こそはという人はぜひお試しあれ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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