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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

短パン&ブーツは、1年のうちのわずかな期間だけ許される禁断コーデである

ストリートスタイルにルールなど無用と思われるかもしれないが、ストリート派を自称する僕もけっこう細かいことを気にする。
特に大事にしたいのは、TPOと季節感だ。

普段はヨレヨレのバンドTシャツばかり着ているけど、綺麗なレストランに行ったり、比較的かしこまった仕事相手や久しぶりの人に会ったりするときには、センタープリーツのスラックスと襟付きシャツを着る。カジュアルなものではあるけど、真夏以外はジャケットも欠かさない。

そういう場面でフランクすぎる服装をしていると、自分の居心地が悪くて嫌なのだ。
いつでもどこでもラフな格好で何が悪いの? なんていう、どこかの誰かみたいなのはまったく理解できない。
そういう意味では、コンサバな人間なのかもしれない。

季節感も本当に大事。
暑くなってきたらすぐに短パンを穿くけど、秋の気配が漂ってきたらたちまち封印だ。
あれは夏の服だから。
大好きなブーツも、秋冬に履くものと決めていて、春の訪れとともに封印し、涼しくなるまで履かないようにしている。

そうやって季節感を大事に服選びしていると、春夏に穿く短パンと、秋冬に履くブーツは、本来であれば絶対に組み合わされないことになる。
でも、“短パン&ブーツスタイル”というのも、意外とオシャレだ。
だからこの際、ちょっとチャレンジしてみようかなと思いました。

お気に入りの短パン&ブーツスタイル。意外なポイントはソックスだ

頭の中のルール設定を少しだけ緩めながら、たいへん緻密な計算をおこなった結果、“短パン&ブーツ”が許されるのは、5月前半と9月前半だけという解が導き出された。
この原稿を書いている今はまさに9月上旬。
お日柄良しということで、短パンブーツスタイルをいくつか試してみた。

使ったブーツは、お気に入りの以下の3足。
左)昨年買ったドクターマーチンのコンバットブーツ
中)かれこれ20年も履いているダナーのエンジニアブーツ
右)パラブーツのレースアップブーツ「ボーリュー」

どれも悪くない。

ちなみに、短パンブーツスタイルのときに重要になってくるのが靴下だ。
ロングパンツにブーツを合わせる通常運転だと、ブーツの上にはみ出したソックスは人の目に触れることがないから、なんでもいいと思う。
でも短パンスタイルであれば、わずかに見える靴下が意外と重要なアクセントとなってくるからだ。
僕は太リブ編みのラインソックスを合わせてみたけど、いかがなもんだろうか?

禁断のコーディネートin 2019年秋。
ちょっと気に入っちゃったので、このコーディネートを許すのは9月30日までとしよう。
まあ誰も気にしちゃいないルールを自分の中で決めるのもまた、ファッションの楽しみだったりするのです。
厄介なストリートおじさんの戯言だと思って、聞き流してほしい。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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