2020.1.23
あちこちの美味を食べ尽くした真の食通たちがこぞって通う個性派ビストロ〜Viande
この「白子とカラスミのスパゲティ」は賄いからできたメニュー。
賄いって余った食材で作るイメージがあるので「それってめちゃくちゃ贅沢じゃないですか?」と訊くと、「おいしいものを食べていない料理人においしいものは作れないです」との回答。
賄いでは自分が心から食べたい食材を使って自由に作るのが吉田さんの流儀だそう。
もうひとつおもしろいと思ったのが1年に1度、スタッフの中から選出された人が12,000円のコース料理を作り、 それを他のスタッフが評価する勉強会を開催していること。
「この勉強会コースでは原価率33%に設定するので、かなり良い食材が使えるし何でもできる。だから不味いものを作ったら言い訳ができません。
使える食材も調理法も規制がないので逆に難しい。実は相当なプレッシャーですが、店を任されている料理人には教えてくれる人がいないので腕を磨くチャンスが必要なんです」と吉田さん。
レストラン級の料理を気軽に食べられるっていうコンセプトはこうやって守られているのね。
ちなみにこの「洋梨のローストと洋梨のシャーベット」は勉強会コースでスタッフの評価を得て、正式メニューとしてデビューしたそう。
とろっとろに焼いたあったかい洋梨のローストは甘さが増し、爽やかで冷たい洋梨のシャーベットと一緒に食べると、これが本当に同じ食材なのかと思うほど。
吉田さんの料理はまた食べに来たくなる。だって、絶対作れないもの。
そもそも修業時代にフランス料理の基礎がバッチリ叩き込まれているので、実力者なわけです。
で、さらにキラっと輝くアイデアがプラスされてしまってはもはやお手上げ。
おしみなく使われる旬の食材、賄いにも妥協しないこだわり、飽くなき探求心を胸に腕を磨く勉強会の開催……。
吉田さんから話を訊いて、この店の料理がなぜおいしいのか理由がわかった気がします。
吉田料理欠乏症になる前にまた食べに行かなくちゃ!