2019.11.14
湯気が立ち昇る蒸籠は“おいしい”が詰まった玉手箱!〜スチーム Dim Sum & Wine〜
「モロヘイヤの餃子はモロヘイヤ、青梗菜、ほうれん草、大葉、ミョウガ、ショウガ、ヤングコーンを入れた野菜だけの餃子です。つなぎもモロヘイヤの粘りです」と教えてくれるのは点心担当の鈴木高輔シェフ。
「絶品広東焼売」のような定番ものは、細かく刻んだ筍や椎茸や豚肉がシコッとかサックリとかキュキュッとかおいしい音を奏でさせるといった、他にはない鈴木さんらしさがどこかにあるし、オリジナルレシピに至ってはイメージソースがおもしろい!
ワサビをのせた漢方豚の焼売はなんと「豚トロ」から誕生したそう。
焼肉屋さんで食べた豚トロにワサビがのっていて、これは点心にできると思ったからですって。
そんな製作秘話を聞けるのもカウンターの醍醐味です。
スペシャル点心のエゾ鮑だって鮑の肝も入っているので、まず風味がドカンとくる。フカヒレのコリっとした食感もやっぱりたまらん。
基本に忠実で丁寧さを大切にしながら記憶に残る点心を作りたいと話す鈴木さんは、点心一筋の料理人生。伝統的なものから創意工夫されたものまでバラエティ豊かなので、何度訪れても飽きることがないのです。
これは薬膳の勉強もされている平岡志保子シェフの考案した蒸しスープ。季節によって変わるそうですが秋は乾燥を潤し胃腸を温め丈夫にしてくれる食材のオンパレード。
鶏手羽元、茶樹茸、しいたけ、白キクラゲ、栗、ごぼうなど見ただけでカラダに良いものしか入っていないとわかりますが、食べるとそれが確信に変わります。
カラダの細胞レベルにまで優しく沁み渡る感じ。
滋味ってこういうことなのね。
聞けば味付けは塩だけ。
なのに次々と違う味わいの引き出しが開けられて五感を喜ばせてくれる。
これはとんでもないスープです。