2019.2.21
門前仲町で衝撃と未知のおいしさ体験はいかが? 〜ラグレアーブル・エスプリ・ド・ギャマン〜
例えば、上の写真の料理、キャベツの中には野菜の出汁で含め煮したとろんとした食感のエイヒレ、下に敷いたシェリービネガーを効かせたトマトの煮込みの中には筍やゴボウや玉ねぎ、ポルチーニ茸、トリュフ、焦がしバター、調味料に加え、食材そのものの味も相まって味も複雑になるのが予想できます。
でもね、この中でいらないものや合わないものは皆無なのです。それどころか組み合わせることで何通りにも変化するので、ひとつの料理なのに3つくらい違う料理を食べている感覚。
1粒で2度おいしいってやつです。
だから味覚が喜ぶのなんのって!
味を足していくと、概ねまとまらなくて変わった料理になりがちですが、フランス料理の基礎をしっかり学び、腕を磨いてきた佐山さんの料理は独創的な観点と確かな技術で作られているので、驚きの先にちゃんと“おいしい”があるのです。
思い出すだけでお腹が空くくらい肉汁がジュワ〜っと含まれた和牛ステーキもね、別にこれだけでも十分なのですよ。お肉にはしっかり味がついているし、塩とマスタードが添えてあるので全然飽きない。ところが……、
こいつ!
このおいしいヤツを出してきちゃうのですよ。ホント困る。
香ばしい玉葱の下には大根おろしと卵黄ですよ。
脂ののった牛肉に卵黄は反則技でしょ?
それに大根おろしに醤油ベースのタレを混ぜるとどうなるか!
「お肉お代わり!」って言いたくなるのわかってくれます?
あ〜、この真鱈のブランダードヴルーテと白子の組み合わせも良かったな〜。
ザラッとしたセモリナ粉とトロ〜っとした白子の食感、お肉とお魚で取った出汁にバターを加えた贅沢なルーで味つけした鱈のブランダードはスープみたいで、どちらも単品の料理として出せるクオリティの高さ。これにカラスミをかけちゃったので「濃厚三重奏(トリオ)」とでも名付けましょうかね。
プリン体族の大好物、最悪で最高のひと品です。
佐山さんはどこにでもある普通の食材を磨き上げたテクニックで時に意表をつく忘れられない料理に昇華させている感じがします。
いろんなものが混ざっておいしくなる、この未知の味はツボだ〜!
私もお店をやっているのですべてをひとりでこなすのはどんなに大変なことなのかわかります。
営業中のことだけを考えても、料理して、ワインを出して、テーブルを片付けて、食器を洗って、接客もする。時間外には仕入れ、掃除、仕込み、お釣りの用意、予約、雑務と、寝る間もないはず。
でも佐山さん、独立してアイデアがマグマのようにあふれ出てくるみたいで本当に生き生きしているのです。
このキラキラした料理はおそらくオープン後の今でしか味わえないのかもしれません。
直ちに確かめに行ってみて!