2020.10.11
動物園のBL事件簿! ブチハイエナのメスに立派な“ペニス”があった!?
なぜペニスもどきがあるのか?
そもそもなぜ、ブチハイエナのメスにはオスのような立派な突起物があるのでしょうか?
そしてなぜ命の危険を冒してまで、それを通して出産するようになったのでしょうか?
結論から言うと、明確な理由はまだ明らかになっていません。
一説には、ブチハイエナの社会構造が関係していると言われています。
ブチハイエナは、メスの方が身体が大きく、群れを守るのもメスの仕事。要はメス優位な社会を形成します。
いざというとき闘うのもメス。攻撃性も兼ねそろえた性格や体格の特徴は、胎児期に男性ホルモンをたくさん浴びることで形成されてゆくことが分かっています。
その影響で、メスの生殖器の外見もオス化してしまうという説です。
なお、交尾においてもメスは圧倒的に優位です。
交尾の際、メスは擬陰茎を引っ込めることで一時的な女性器、ヴァギナをつくります。
したがって、メスがオスを気に入らなければ交尾はどうしたって始められません。
加えて、擬陰茎の元の位置や角度によって、このヴァギナの開口部は前向きになります。
いわゆる後背位で後ろからオスがのしかかり挿入しようとしても、うまくやらねばメスは離れていってしまいます。
このように交尾をする・しない、交尾がうまくいく・いかないは、完全にメスの気持ち次第なわけです。
ところが、2018年にはブチハイエナに関する新たな論文によって、実際にはメス優位性は血縁者に支えられているだけなのではないか? という報告も出ました。
オスとメスが1対1で闘った場合、実はどちらが勝つかは半々だというのです。
ブチハイエナの場合、群れで生まれたオスはやがて流れ者になり、別の群れに合流します。メスは成長しても生まれた群れに留まります。
ですから、群れにいる大人のオスはよそ者ばかりです。
群れでもめ事が起きたとき、血縁者がたくさんいるメスたちの方が優勢になっているだけなのではないか、ということです。