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『ゆく年くる年』を毎日放送してほしいくらいお正月が好き

せきしろ氏が選んだ理由は「とにかくお正月が好きだから」

「書籍の中からお気に入りの落とし物を選んでほしい」と言われて、最初に思い浮かんだのがこの「お正月飾り」でした。

理由はお正月が好きだから。
クリスマスが終わってからお正月に向かう、あの雰囲気が好きで、ホッとします。
お餅やみかんも好きです。

なんでこんなにお正月が好きなんでしょうね。
年末から新年にかけては、リセットできる感じがいい。「まあいいや、新しい年から頑張ればいいや」と思えます。

年越しの瞬間は、精一杯お正月を染み込ませようとしています。
「ゆく年くる年」は、毎日放送して欲しいくらい好き。
だから毎年録画するんですけど、絶対見返さないんですよね。
ハードディスクにずっと「NEW」のマークがついています。

そして迎える元旦は、空気の澄んだ感じがたまりません。
三が日は何をしてもいい自由な雰囲気があります。
これが3日を過ぎるくらいになって落ち着いてくると、通常に戻ってくる感じがして嫌だな、と思う。

だから時期外れのお正月飾りを見つけると「まだお正月は健在だ」と思えて嬉しくなるのです。

落とし物をめぐる、おかしくもせつないエッセイ50篇

せきしろさんによる新刊『その落とし物は誰かの形見かもしれない』は好評発売中。
軍手・アロンアルフア・靴底・PASMO・象のジョウロ・七夕の短冊・携帯電話のストラップ・ドアプレート・サングラス・伝言メモ・レモン・水菜・トング・ESPカード・VHSのビデオテープ・ハケ・ぬいぐるみ・子ども用バット・松竹錠など、路上で本当に見つけた様々な落とし物をめぐる、50の妄想エッセイ集。詳細はこちらから

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新刊紹介

せきしろ

せきしろ●1970年北海道生まれ。主な著書に、映像化された『去年ルノアールで』や、映画化された『海辺の週刊大衆』、『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(共に双葉社)など。また、又吉直樹氏との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(幻冬舎)、西加奈子氏との共著『ダイオウイカは知らないでしょう』(マガジンハウス)も。
ツイッターhttps://twitter.com/sekishiro

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