2026.5.2
世界の超一流知識人に英語で取材する国際ジャーナリストが伝授。TOEICで満点を取るより英語を話せるようになる方法とは?【大野和基インタビュー 前編】
今回はその刊行記念のロングインタビュー。前後編でお送りします。
(取材・構成/「よみタイ」編集部 撮影/藤澤由加)
一流の知識人ほど「深く聞き」「雑談」を楽しむ
――大野さんは、ノーベル賞受賞者や世界中に大きな影響を与える哲学者や思想家など世界の知識人を中心に英語で取材し続けています。そんな世界の超一流知識人に共通するコミュニケーション法はありますか。
「あります。多くの人は、超一流って雄弁で議論に強い人だと思っているけれど、実際は少し違って。本当にすごい人ほど、相手に対する好奇心が強いんです。こちらが質問しているのに、『日本ではどうなの? 君はどう考えるの?』と向こうからどんどん聞いてきます。対話を一方的ではなく共同作業としてとらえる方が多いんですね。それと、彼らはちょっとした雑談を軽視しない。これは面白い共通点です」
――雑談を重視する傾向にある、と。
「そう。日本だと、本題にすぐ入るほうが知的だと思いがちだけれど、欧米では違う。ちょっとした雑談が本題への助走なんです。たとえば、『今日の帽子、面白いね』とか『滞在したホテルはどうだった?』とか『昨日何食べた?』とか、そういうちょっとした雑談から本題に入るんです。
本にも書いている通り、私が、この時代でも、対面取材にこだわるのも同じ理由です。Zoomなどオンラインでも用件だけなら済みますが、やはり雑談が生まれにくいから。雑談がないと、本音も出てこないんです。
――そのあたりも今回の本には丁寧に書かれており、英語はもちろんですが、それ以外の語学にも応用できるコミュニケーション論の本でもあると思いました。
「その通りです。日本語でも同じなんです。私は、日本でも海外でも、バーや飛行機の座席で隣になった方と積極的に話します。そこで知り合った人も少なくありません。かつて、『英語の品格』を出した時に紀ノ国屋書店に行ったら、ちょうど女子大学生が手に取っていたので、『それ僕の本です』と話しかけたことも(笑)。でも、とても喜んでくれ、本を購入していただき、サインもしました。両者の間で、0.1ミリでもなにかの共通点があったら話しかけてみる。それで世界は広がるんですよ。
近年の取材事例でいえば、カーティス・ヤーヴィンにインタビューした時に、最初は対面じゃないと取材は受けないと言われましたね。飛行機代などで往復70万円以上かかりましたが、行ったら、ものすごく意気投合しました。2回目以降はZoomでの取材でもよくなりましたが、でも最初に直接会っていなければ、その後の取材は成立していなんです」
――最初に相手の人格を見たい、感じたいということですね。
「そうです。だから、知的なコミュニケーションというのは、ただの情報交換ではなくて、信頼構築のことなんですよね」

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