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「号泣した」「この文章に救われた」反響多数! 村井理子さん「犬と本とごはんがあれば」人気エッセイTOP5

3位 父の死と、「さみしさという遺産」―今年、私は父の年齢を超える

BEST3に入ったのは、記念すべき連載第1回「父の死と、『さみしさという遺産』―今年、私は父の年齢を超える」(2020年7月13日)。

約30年前、村井さんの父が病に倒れてから、49歳という若さで亡くなるまでの思い出を綴ったエピソードです。

私が帰国してわずか一か月で、父は吐血して倒れ、入院した。すでに末期の胃癌で、余命幾ばくもない状態だった。当時、病院では癌患者に対して告知をしていなかったから、私たち家族はその事実をひた隠しにした。日に日に痩せていく父を見ながら、それをなかったかのように振る舞い続けた。
(連載本編より)

家族から病について本当のことを告げられることないままこの世を去った父親の強い悲しみやさみしさを、遺産のように心に受け継いでいるという村井さん。
家族を看病し看取った経験のある読者を中心に様々な反響が寄せられ、「余命を知らされずに亡くなった父のことを思い出した」、「思わず涙がこぼれて、心で号泣した」といった声もありました。

2位 料理に心底疲れ切った絶望感—もう一度、向き合おうと思うまで

日々の食卓の切り盛りに悩む子育て世代から特に支持を受けたのが、連載第10回「料理への重すぎる思いから、20年を経ての解脱—皿の上に念を盛り付けない」(2020年11月16日配信)。

村井さんが、「もっとも得意としていたものの、ここ数年で完全に熱意を失い、気持ちが冷め切ってしまっていた家事」であるという、日々の「料理」について考察しています。

なぜ料理がそこまで辛くなってしまったのか、自分なりにしっかりと考えてみた。まずは、自分の味に飽きたことがひとつ。そして、拒絶されることのがっかり感に、そろそろ疲れてきたのがもうひとつの理由だった。料理本とにらめっこして、どれだけ工夫を重ねても、新しいメニューにチャレンジすればするほど、「美味しい料理を作らなければ」という強い思い(そして重い)だけが空回りしたと気づく、あの瞬間である。(連載本編より)

読者からは、「よくぞ言ってくれたという気持ち」、「村井さん最高!」など、共感と支持の声が多数。
「母親はちゃんとした料理を作らねばならないという呪縛から解放された。この文章を読んで救われた」という声もありました。

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