【3位】夫には期待などしないと決めたのです／「妻が口をきいてくれません」（野原広子）

野原広子さんが離婚後の家庭を描いた『今朝もあの子の夢を見た』の単行本が11月に発売されたことを受け、過去作にもあらためて注目が集まっています。

「妻が口をきいてくれません」は、第25回手塚治虫文化賞「短編賞」を受賞した超話題作です。

妻、娘、息子の四人家族として、平凡ながら ごく平和に暮らしていると思っていたサラリーマンの夫。 しかし、ある時から妻が口をきいてくれなくなる。 家事、育児は普通にこなしているし、大喧嘩したわけでもない。 違うのは、最低限の言葉以外、妻から話しかけてこないことだけ。 会話のない状態が6年目に入り……。

外からは平和な家庭を営んでいるように見える夫婦の問題が静かにえぐり出されていく展開は、読む人の立場や経験によっても捉え方が異なり、ウェブ連載中（2020年1〜8月）から賛否両論の大反響を巻き起こしました。

第12話「夫には期待などしないと決めたのです」（2020年6月28日配信）は、妻の心の内に迫り、深い悲しみが明かされるエピソード。
公開から2年以上経ってもアクセスが続き、累計200万PVを超える回となっています。

気になるストーリー全体は、web連載に書き下ろしの結末を加えた単行本で一気にお読みいただけます。