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講談師・神田伯山さん特別コメント 『妻が口をきいてくれません』は「気づきの本」

夫婦関係改善のきっかけは「洗濯」

実はうちの夫婦も、うまくいっているとは言い難い時期がしばらくあったのですが、私が洗濯をするようになって、関係が改善しました。

洗濯といっても、乾燥機つきの洗濯機を使っているので、家族の洗濯物をまとめて機械に入れるだけ。
大した労働でもなく、むしろ私は洗濯が気持ちいいと思えるほど好きなのですが、それを私が率先してやるようになって、夫婦関係が確かに変わっていったのです。
実際に妻も、私が洗濯をするようになって夫婦で話がしやすくなったと言っています。

「私のぶんの洗濯も妻がやることが当然になっていて、それに感謝すらない」
それが、私の甘えであり、妻の苦しみだったのと、今はわかります。

単行本『妻が口をきいてくれません』より。
単行本『妻が口をきいてくれません』より。

あと、育児の分担を妻が可視化してくれたことも大きかった。

我が家の場合、子供が6時に起きてから8時に保育園行くまでと、夜18時迎えに行ってから寝かしつける20時まで、毎日朝晩だいたい2時間ずつ、夫婦のどちらかが必ず子供の面倒をみる時間があります。
それを私と妻、どちらが担当したか、妻がカレンダーに記入して目で見えるようにしてくれたのです。

そうしたら、私の育児量は2割で、妻が8割。
頭では家事育児は夫婦で50:50が理想だと思っていたし、できることはやっているつもりだったのですが、妻の方が圧倒的に育児を担っている量が多いのが現実でした。

「女性が家事はするものだ」、「仕事で地方に行ったりすることも多い自分と、家や事務所で働いているカミさん。体が子供に近いとこにある彼女の方が育児をして当然」。
そんなこと全く思っていないつもりだったのですが、心の奥底、潜在意識のどこかに、そういう考えも潜んでいたのかもしれません。

でも、育児の状況を客観的に共有することを妻が積極的にやってくれたおかげで、「自分が妻に子供の世話をさせていたんだ」とクリアになりました。

単行本『妻が口をきいてくれません』より。
単行本『妻が口をきいてくれません』より。

それによって、育児以外にも、相手が家族のため、自分のために何をやってくれているのか、具体的に意識するようになったと思います。
だから、ティッシュペーパーを取り替えてくれた、電動自転車の充電をしておいてくれた、そういう一つひとつのことに対して「ありがとう」と言うようになりました。
妻も私が洗濯をすると「ありがとう」と言ってくれます。

彼女がありがとうと言ってくれることをもっと増やさないとな、と思っています。

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神田伯山

かんだはくざん●講談師
1983年、東京都生まれ。2007年11月、講談師・三代目神田松鯉に入門。2012年6月、二ツ目昇進。若くして、寛永宮本武蔵伝、慶安太平記、村井長庵、天保水滸伝、天明白浪伝、畔倉重四郎などの「連続物」や、「端物」と言われる数々の読み物を継承している。2020年2月11日、真打ち昇進と同時に六代目神田伯山を襲名。
公式サイト● https://www.kandahakuzan.jp/
YouTube●神田伯山ティービィー

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