2026.4.15
ギネス世界記録達成のためにコーダと初めての海外渡航。いざ、イタリアへ!【サーフィン犬 コーダが教えてくれたこと 第7回<中編>】
犬と暮らす楽しさ。スポーツや遊びを通じて犬とわかり合う楽しさ――。
ドッグトレーナーになってからは、動物たち本来の性質に則ったQOL(生活の質)に配慮する「動物福祉」の考え方をもとに、飼い主と犬がより良い関係を築くためのサポートをする浅野さん。この、人間の都合だけによらない「動物福祉」の考え方が世界中で広まりつつある今、長く続いて来た“人と犬とのパートナーシップ”についてもまた、改めて考えてみたい。
イタリアからの電話はなんとギネス世界記録のオファー!前編に続いてのドタバタの末、ついにイタリア上陸……⁉
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2024年元日の地震、そして飛行機衝突炎上事故の衝撃
イタリアで行われることになったコーダとのギネス挑戦に向けて、英語とイタリア語と日本語が、メールとZOOMミーティングで飛び交う日々が続きました。滞在日程の調整と飛行機の便の手配、ギャラの相談、番組の企画内容について等々、やりとりを何度も繰り返すのですが、ただ振り回されるだけでなかなか詳細が決まりません。私たちって本当にイタリアに行くんだっけ……?という気分になりつつあった2024年の元旦のこと。能登半島で大地震が起き、津波が押し寄せるニュースが目に飛び込んできました。
年末年始、やっと仕事もお休みになり帰省して家族と幸せな時間を過ごせる、そんな誰もがほっとする時にこんな災害が起きるなんて……。私は大きなショックを受けました。何かできないかと少しばかりの義援金を送り、メディアの続報を見守っていた時でした。羽田空港で、地震の被災地に救援物資を運ぶ海保機とJALの旅客機が衝突して、機体が炎上しているニュースが流れたのです。
幸い旅客機に乗っていた人は全員無事だったものの、貨物室に預けられていた2頭の動物は助からなかったという報道は、これからコーダを連れて初めて飛行機に乗ろうとしている私にとって、かなりの衝撃でした。SNS等では、貨物室に動物を乗せることを禁止する署名が色々な人の声がけで盛り上がっていましたし、その一方で「私なら絶対に犬を飛行機に乗せない」とか、「クレートに閉じ込めて飛行機に乗せるのはかわいそう」「犬と一緒に旅行するのは人間のエゴだ」「虐待だ」と批判的な意見も多く出ていました。その影響なのか、コーダとのイタリア行きのことを書いていた私のインスタグラムにもコメントが200件ぐらいついて、生まれて初めての“炎上”を経験しました。
もちろん応援のコメントもたくさんいただいていましたが、否定的なコメントは、受け取る側が生身の人間だとは思っていないような辛辣さで、さらにはその否定的なコメントと戦うコメントも来たり、なるほどこれが“炎上”というものなのかと身をもって知りました。そんな中で、私が考えていたのは、ただ「12歳になるコーダと私とのペアに残された時間は限られていて、飛行機に犬を乗せるためのルールが改善するのを待つ時間はもうないだろう」ということだけでした。
2024年2月24日。クレートにお守りをたくさんつけて、いざミラノへ!

能登の地震から2ヶ月ほど経った2024年2月24日。いよいよコーダと私がイタリアに出発する日がやって来ました。
早朝、車で家を出て家族と一緒に羽田空港へ。到着後すぐに、クレートからコーダを出して軽く歩かせ、排泄できたらまたクレートに戻って、出国のための輸出検疫の予約時間まで空港内で待機です。私は、検疫の手続きはすべて整っているにも関わらず、ちゃんと通るか不安で気持ちがザワザワしっぱなしでしたが、あっけないほど無事通過。コーダはと言えば、終始落ち着いていて、触診も静かに受け入れクレートを出たり入ったりにも文句ひとつ言いませんでした。
空港の出発カウンターで、通訳のLちゃんと見送りの友人に合流しました。羽田空港の事故をきっかけに私のインスタグラムをフォローしてくれ、事前にメッセージもくださっていたITAエアウェイズのグランドアテンダントの方にも会え、安心してコーダを預けることができました。
私のインスタグラムアカウントが炎上した時、多くの空港関係の方からも励ましのメッセージをいただきました。そういった関係者の方々で犬と暮らしている方はもちろんたくさんいて、SNSでの飛行機の貨物室に犬を預けることについての批判するコメントに、人一倍もどかしさを感じていたのではないでしょうか。そりゃ(愛犬は)家族の一員ですもの。自分の愛犬も旅客用の席に一緒に乗せたいと考えるのは自然な願いだと思います。でも、すべての犬が、機内の旅客用の席で静かに足元にいられるでしょうか。他の人が不快にならないよう、不適切な場所で糞尿をせずにいられるでしょうか。他の人や犬を怖がったり、吠えたりしないでしょうか……。現実を突き詰めて考えると、超えるべきハードルはまだたくさんあるようにも感じています。

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