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せきしろ「東京落物百景」
落とし物の数だけ、物語がある――。落とされたモノにも、そして落とした人にも。
『去年ルノアールで』『たとえる技術』などの著作で知られる作家せきしろが、東京の街の片隅で、本当に見つけたさまざまな落とし物について考える妄想ノンフィクション。

前回は、落とし物なのか、忘れ物なのか、大きなカバンを発見した著者。今回は、これまた、なんで?と思うトングを発見したようで――

年末の忘年会にも使える! トングの落とし物で考えた「モノボケ」10連発!

都内の路上にて発見したトング。焼肉店で使い、手にもったまま店を出てしまった、うっかりさんがいたのだろうか……。(写真/ダーシマ)
都内の路上にて発見したトング。焼肉店で使い、手にもったまま店を出てしまった、うっかりさんがいたのだろうか……。(写真/ダーシマ)

道に落ちているトングは、「モノボケ」に使われたとしか考えられない!

焼肉店に行って紙エプロンをする。取ることを忘れてそのまま帰ろうとしてしまい、レジで気づいて恥ずかしくなったことがある。私は気づいたから良いが、もしかしたらそのまま店を出てしまったという人もいるだろう。

道に落ちているトング。

このトングも焼肉店で使い、手に持っていることを忘れてそのまま店を出てしまったものなのかもしれない。ただその場合、道に捨ててしまうものなのかどうか疑問が残る。紙エプロンならまだしも、トングは店に返しにいくか、捨てるとしてももっと目立たないところを選ぶはずだ。

ならばゴミ拾いで使ったという可能性が浮上してくるが、このタイプのトングは使わないか。ゴミ拾い専用のもっと長いものを選ぶはずだ。ゴミ拾いで使用したとしても、それを道に置いて行ってしまえばそれ自体がゴミになる可能性があるわけで、まったく本末転倒だ。

そうなると考えられるのはただひとつ。『モノボケ』である。

モノボケとは文字通りモノ(アイテム)を使ってボケることである。わかりやすい例をあげると、バナナを頭に乗せて「チョンマゲ」と言ったり、浮き輪を食べるふりをして「ドーナツ」と言ったりするのだ。

ここでトングを使ったモノボケが行われ、忘れていったと考えられる。あるいはモノボケを行う会場へ運ぶ時、あるいは持ち帰る時に落としたものと推測することもできる。

これからの季節は忘年会、クリスマス、新年会と続き、何かと宴会が多くなる。宴会でモノボケをしなければいけない時もあるし、自ら宴会芸として行うこともあるはずだ。

そこで、どんなモノにでも使える汎用性の高いモノボケフレーズをいくつか紹介するので、困ったら使ってもらいたい。

これがおじいちゃんの形見です

お客さん、これ、レジ通してないですよね?

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池の水全部抜いたらコレが出てきました!

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せきしろ

せきしろ●1970年北海道生まれ。主な著書に、映像化された『去年ルノアールで』や、映画化された『海辺の週刊大衆』、『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』(共に双葉社)など。また、又吉直樹氏との共著『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』(幻冬舎)、西加奈子氏との共著『ダイオウイカは知らないでしょう』(マガジンハウス)も。
ツイッターhttps://twitter.com/sekishiro

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