2021.9.22
牛乳などを「奥から取る」人は88%!「日付が新しい方が得」と考える人が見落としがちな「処理コスト」の真実
コロナ禍で使い切れない牛乳が大量発生中
特に昨年から、「牛乳が余っている」状況が続き、世界的な課題となっています。
牛乳の業界団体Jミルクが発表している定期レポートによると、コロナ禍で、生乳(搾乳したそのままの乳)を廃棄せざるを得ない事態が複数の国で発生しました。飲食店の店内営業が止まり、生乳が行き場を失ってしまったためです。米国では、行き場を失った生乳が廃棄された事例が報告されています。
日本でも、2020年2月末に政府から休校要請が出され、3月から突如、学校給食がストップしました。また、同じ時期に飲食店やホテルなどの休業や時短営業が行われ、牛乳の消費量が下がってしまいました。
2021年9月現在、コロナ禍以降の日本の牛乳廃棄量の具体的な数字は発表されていませんが、米国と同様のことが起きているとすれば悲しいことです。
しかも、2021年は、全国的に生乳の生産が好調です。一方、長引くコロナ禍で、業務用の需要回復は見通せない状況にあります。つまり、生乳の需要よりも供給が上回る状況が続いているということです。実際、脱脂粉乳やバターの在庫がさらに積み増しされているという報告もあります(Jミルク2021年7月30日発表)。
乳牛はいったん搾乳をはじめたら止めることはできません。止めると病気になります。とはいえ、搾乳した生乳も、殺菌して牛乳として出荷する、もしくはバターやチーズなどの加工品にするなどの「アウトプット先」がなければ捨てざるを得ません。
こうした状況の解決策のひとつとして、農林水産省は、2020年4月21日から、一般消費者に向けて、「プラスワンプロジェクト」を開始しました。生乳の廃棄を減らすため、買物の際に牛乳やヨーグルトを普段より1本多く購入することを推奨する運動です。
とはいえ、各家庭で急に牛乳を買う量を増やしても、結局使い切ることができなければ、食品ロスの解決にはつながりませんよね。
牛乳を、飲むだけでなく、上手に使うことはできないでしょうか。
また、賞味期限や消費期限の近づいた牛乳を上手に使う方法はないでしょうか。