2020.10.9
妥協なき仕入れ! 東京でとんでもなく凄い和牛の最高峰を味わえる店はここだ!
「これがチャンピオン牛です!」
「年間○○頭しか出荷されない希少な牛です!」
「□□□さんが肥育した△△△△牛です!」
こんな営業文句がSNSのタイムラインに毎日大量に流れて来る。
SNSの影響が大きくなればなるほど、お店で仕入れている牛肉のPR戦争が過激になってきているように感じないだろうか。
そんなすごい牛肉を仕入れたのか、と有難い情報として受け取る場合もあるが、他とそれほど変わらないものを、さも違うかのようにアピールしているものも散見される。
あまりに情報量が多すぎて、何が本当に凄いのかが分かりにくくなっているのかもしれない。
そこで、肉バカ情報網を駆使して、仲卸食肉業者に聞き、生産者に聞き、肉バカが食べて分かった、間違いなくとんでもなく凄い牛肉を仕入れているお店の情報を共有したい。
まずは西麻布にある【うし松】。
うし松は2020年1月にオープンしたばかりのお店だが、仕入れ担当はお店のオープン前に東京食肉市場内の仲卸業者に数ヶ月間通いつめ、セリなどを見ながら牛肉を学び、目利きの力を磨いた。
来る日も来る日も枝肉を見て、それの枝肉がどんな評価を受けるのかを見て、自分の評価との答え合わせをおこなう。
これを毎日繰り返したのだ。
この経験により、仲卸業者との信頼関係もまた強固になったのは言うまでもない。
しかも毎日枝肉を見ていたのだから、最高のものしか仕入れる気にならないのだろう。
うし松の仕入れで驚かされるのは、まず特産松阪牛が入ること。
では、特産松阪牛と松阪牛はいったい何が違うのか。
それは血統と肥育期間だ。
そもそも松阪牛は全国のブランド牛の中では珍しく、脂があっさりとしていて肉の味わいが濃いと言われる雌牛のみ、と指定されているのだが、特産松阪牛はさらに兵庫県産の但馬牛という血統のみしか名乗ることが出来ない。
全国で改良がおこなわれている和牛の血統は、他の県の優良な血統を加えられてきているが、但馬牛は兵庫県内の但馬牛以外を血を一切混ぜてない。
必要以上の大きさやサシの入り具合といった経済性ではなく、食べておいしいという血統をひたすら守って来ているのだ。