2019.10.11
肉といえば焼肉だけにあらず! 和牛の真髄を味わえる世界がここに
ハモと松茸でほっこりしているところに小丼が出され、上には艶やかなお肉が乗っている。
これは軽く漬けにしたカイノミ。
ここにさらにイクラをかけて完成。
漬けにしたことでカイノミのインパクトが強くなって、イクラとの相性が抜群に上がっている。
力強い旨味をまとったクエのお造り、ふんわりと香りが広がるお出汁を使った車海老のしんじょうのお椀をいただくと、ベースとなる日本料理の技量の高さが伝わってくる。
常のスペシャリテの1つが牛テールの春巻き。
季節にあわせて味付けを微妙に変えたりしているが、今回は薄切りにした松茸が入った豪華バージョン。
熱々の春巻きを頬張れば、柔らかく仕込まれた牛テールに香り高い松茸が見事に寄り添っている。
最中の皮を使った和牛ハンバーガーは、洋のテイストを織り込んだパンチのある味付け。
2口ほどでなくなってしまう控えめな大きさが、なんだか寂しげといってもいいような雰囲気を醸し出す。
強い味付けから一転、流れを変えてくれるのがシャトーブリアンの太巻き。
シャトーブリアンは軽く火を入れているので、噛んだ時にほぐれやすく、ご飯との一体感がより増している。
素材の良さだけに頼らないバランスの妙がここにある。
常のもう1つのスペシャリテが和牛タン。
黒タンの根元を厚切りにして、炭火でじっくりと優しく火を入れていく。
最後は醤油を刷毛で塗りながら香ばしさも加える。
プルプルと弾力に富んだ食感は繊細な火入れの賜物。
付け合わせの松茸と春菊が、さらに黒タンを引き立てる。
なかなか見向きもされないタン筋は柔らかく炊かれ、フカヒレ、冬瓜と一緒に。
テール出汁が全ての食材を一体にまとめあげている。