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松阪牛がしゃぶしゃぶでもすき焼きでも! 老舗だからできる極上の食べ放題コース

年間200食もの牛肉を食べるという、名実ともに肉バカ、小池克臣が日々蓄えてきた肉への愛、知識、体験……そのすべてを注ぎ込む究極の肉コラムがここに。肉好きはもちろん、そうでなくても知っておくべき肉のあれこれが満載!

焼肉の名店【金竜山】の娘さんご夫婦が昨年オープンした【赤坂らいもん】があることで、肉好きの間ではすっかり激熱な街・赤坂見附。

その赤坂見附駅から歩いて1分の場所に、1973年から続く老舗のしゃぶしゃぶ屋がある。
老舗ならではの力が感じられるのは、とにかくその仕入れ力。
超高級ブランド牛として名高い松阪牛をはじめ、厳選した牛肉と豚肉を使用している。

これらのお肉を少しずつ味わうのも最高だが、信じられないことに、松阪牛を含む黒毛和牛などをおかわり自由、つまり食べ放題で楽しめるコースが存在する。

しかも、諭吉さんが何枚も吹き飛ぶような価格設定ではなく、諭吉1枚をちょっとはみ出る程度なのだ。
デパートの高級精肉店で松阪牛を買って、自宅で食べるより安いのは間違いない。
老舗の仕入れ力と店主の心意気があればこそのコースだ。

これぞ、松阪牛!
これぞ、松阪牛!

ここ、【しゃぶ玄】は赤坂見附の駅前のビルの5階にある。
エレベーターを降りると、目の前にはおひとりさまでも楽しみやすい開放的なカウンターが広がっている。

落ち着いたテーブル席もいいが、肉好きであればカウンターもオススメ。
目の前で松阪牛などの黒毛和牛がスライスされている様子を見ながら、お肉を待つのも楽しい時間だろう。

しゃぶ玄のタレは3種類。
ポン酢ダレはちょっとピリッとした味わいで、お肉の甘い脂との相性が抜群。
濃厚な胡麻ダレも間違いのない美味しさ。
肉バカがハマっているのが、しゃぶ玄オリジナルの特製ダレで、野菜の甘みなどが効いた濃厚なしゃぶしゃぶのタレは、サラダのドレッシング的な味わいだ。

牛肉や豚肉に合うのはもちろん、しゃぶしゃぶした野菜を特製ダレで食べても絶品。
しゃぶしゃぶやすき焼きというと、昔から変わらないスタイルの店舗ばかりというイメージがあるが、こういった細部までの研究熱心さを感じるお店には、やはり心惹かれてしまう。

この日のコースは黒毛和牛のザブトンから始まった。
細かなサシが入ったザブトンで、見るだけでのその上質さが伝わってくる。
しゃぶしゃぶ鍋の中では、あまり強くしゃぶしゃぶせずに、ゆっくりと泳がせるように優しく扱うのが良い。
何事も強引なやり方はいけない。

わずかにピンク色が残る程度に仕上げると、口の中でお肉がほろほろと崩れ、サシの甘味がタレでより際立つ。

細かなサシから肉の上質さが伝わってくる
細かなサシから肉の上質さが伝わってくる

ザブトンの次はリブロース。
しかも松阪牛のリブロースだ。

繊細で滑らかな食感のリブロースは、優しく噛まないとすぐに口から消えてしまう。
また、ザブトンよりももう一段甘みが強く、肉の旨味がさらにタレに負けずに口に飛び込んでくる。

口の中で蕩けるリブロース
口の中で蕩けるリブロース
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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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