2019.6.21
「どの焼肉屋に良い肉を卸しているのか?」肉屋に教えてもらった美味しい焼肉屋(その1)
タンは生の黒タン、つまり黒毛和牛のタンだ。
その姿を見れば、それが一級品の黒タンであることは一目瞭然。
片面を香ばしく、もう片面は軽めに火を入れればサクサクとジューシーが共存した最高の食感に、タン特有のほのかな甘みが口に広がる。
値段も決して高くない。
いや、むしろ質と量を考えれば、恐ろしく安い。
タンが美味しい場合、ハラミも美味しい確率は高い。
そして、姿を現したハラミは想像通りどころか、想像を超えて素晴らしい。
太い肉繊維は野性味溢れる食感を残し、旨味をたっぷりと含んだ肉汁にはしつこさもない。
あまりの美味しさであるから、厚切りを塩、薄切りをタレ、という禁断のダブルオーダーを実行してほしい。
あかぎの凄いところは、ホルモンだけに特化しているわけではなく、正肉にもこだわっているところだろう。
特定の産地で縛っているわけではなく、その時々で良質な雌牛のみを厳選している。
そのこだわりが手っ取り早く分かるのが並のロース。
このロースは前回のコラムでも紹介しているが、しっとりとした柔らかさと、タレに負けない肉そのものの旨味が強い。
しかも値段はご奉仕価格といえる安さ。
この並ロースでテンションが上がったら、カルビや希少部位など、他の正肉を存分に楽しむことをオススメしたい。
正肉をたらふく食べたら、最後はタレのホルモンで〆たい。
ホルモン類はタンやハラミと同じ流通経路のため、あかぎのホルモンは何を食べても美味しい。
特にオススメなのがシマチョウ。
巷では臭みのあるシマチョウに出会うことが多々あるが、あかぎのそれは別物。
磨き抜かれたかのように艶やかに輝き、火を入れることで脂面がじっとりと透明感を帯びてくる。
皮面の歯切れも抜群で、ホルモンが苦手な人でも食べやすいこと、請け合い。
店内は近くのサラリーマンで常に賑わっているが、マニア系肉好きはまだ少ないので、前もって電話すれば予約はまだ容易だろう。