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小池克臣「No Meat,No Life.を生きる男の肉だらけの日々 肉バカ日誌」
年間200食もの牛肉を食べるという、名実ともに肉バカ、小池克臣が日々蓄えてきた肉への愛、知識、体験……そのすべてを注ぎ込む究極の肉コラムがここに。肉好きはもちろん、そうでなくても知っておくべき肉のあれこれが満載!

焼肉・熟成肉ブームの時に誰も教えてくれなかった【A5神話】の真実

牛肉マニアでなくとも、牛肉の等級を表す「A5」という言葉は多くの人に知られている。
だが、この言葉が真に意味することを知る人は少ない。

少々マニアックかもしれないが、まずはその歴史を語ろう。

まずは牛肉の格付けの歴史を知るべし

牛肉の等級による格付けが始まったのは昭和36年まで遡る。

当時は今とは基準が少し異なり、枝肉の等級を表す指標も「(特選)、極上、上、中、並、等外」という言葉が使われていた。
他の食ジャンルではあまり見かけない、焼肉屋ならではのカルビやロースのランク表現の起源がここにあるように感じてしまう。

我々が良く知る「A5」という指標が登場したのは昭和63年の抜本改正に伴って。
枝肉から取れる肉の量を表す歩留等級(A, B, C)と、主に霜降り具合を表す肉質等級(5, 4, 3, 2, 1)の2つを表現する指標が導入された。
つまり「A5」とは、肉の量と霜降り具合が多いということを表している。

詳しくは、拙著『肉バカ。』を参照願いたい。

いちやく脚光を浴びた「A5」という表現

格付けの最上位である「A5」というキーワードを、焼肉を中心とした飲食店で見かけるようになったのは15年ほど前からだろうか。

当初は一部のこだわりの強いお店でしか見かけなかったが、爆発的な焼肉ブームに乗っかって、どこにもかしこにも「A5」が溢れかえった。

だが、肉業界を席巻した、この「A5」というキーワードが次第に独り歩きをし始める。

「A5」というものが最も美味しい牛肉を表す指標であり、「A5」であれば間違いなく美味しい、と。

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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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