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小池克臣「No Meat,No Life.を生きる男の肉だらけの日々 肉バカ日誌」
年間200食もの牛肉を食べるという、名実ともに肉バカ、小池克臣が日々蓄えてきた肉への愛、知識、体験……そのすべてを注ぎ込む究極の肉コラムがここに。肉好きはもちろん、そうでなくても知っておくべき肉のあれこれが満載!

肉バカが伝授する、誰でも焼肉通ぶれるふるまい方

朝晩の冷え込みがきつくなって、年末がだんだんと迫ってきていることを実感する日々だが、年末はお肉が最も美味しくなる季節であり、肉好きが最も忙しくなる季節だ。

そろそろ忘年会の予定が入り出す頃でもあるので、今回は、周りの友人や同僚から「焼肉通」と呼ばれるようなふるまい方を伝授したい。
これさえマスターすれば、女子はもちろん男子にも羨望の眼差しを向けられることは間違いない。

【席の予約と一緒に肉も予約せよ!】<予約編その1>

行きたいお店を選ぶ際はグルメサイトだけでなく、InstagramなどのSNSを参考にする人も多いと思うが、あなたが惹かれるようなお肉には、みんなも惹かれているということを忘れてはならない。

特にインスタ映えするメニューは誰もが注文する。せっかくお目当てのお店に行ったにもかかわらず、食べたいお肉、SNS映えするようなお肉が売り切れでは愚の骨頂。席の予約の段階でしっかりとお肉も予約すべきだ。

年末の焼肉屋繁盛期には、タンやハラミは特に予約することをオススメしたい。そして、もしも隣のテーブルの人が同じメニューを注文したのに売り切れだと断られていたなら……あなたを見る異性の目が尊敬で輝くこと間違いなし。

【ホルモンを食べる時は月曜日を避けよ!】<予約編その2>

正肉と違ってホルモンは鮮度が命。

肉好きは日々、フレッシュなホルモンを求めて街を徘徊しているのだが、残念ながら屠畜したてのスーパーフレッシュなホルモンを食べることはほぼ叶わない。
BSE(狂牛病)の検査をパスしない限り出荷が行えないため、通常ホルモンは屠畜した翌日に各焼肉屋に出荷される。ということは、月曜日にお店に届くホルモンは、前の週の金曜日に屠畜されたものなのだ(ほとんどの屠場は土日がお休みのため)。

お店の予約スケジュール調整の際には、月曜日を避けることを提案しよう。もちろん、当たり前のように理由も付け加えておくのを忘れてはならない。

【黒タンとは何か?】<オーダー編その1>

焼肉屋で誰もがオーダーするタン塩。
当たり前の話だが、タンは牛1頭に1本しかない。牛に二枚舌は存在しないのだ。

タンは非常に貴重で、多くの焼肉屋がタンの仕入れに苦労している。一般的に黒タンと呼ばれる黒毛和牛のタンは、その美味しさから特に人気で、全国の焼肉屋が奪い合っていると言っても過言ではない。
黒毛和牛のタンは、その名の通り皮が黒い。それに対してホルスタイン等の国産牛は皮が白いものがほとんど。しかし輸入されるタンには黒い皮のものがある。この黒毛和牛じゃない輸入のタンを黒タンとして提供しているお店がたまにある。
黒毛和牛のタンを期待して高価なタンをオーダーしたのに、輸入のタンでは悲し過ぎる。メニューに黒タンと書かれていたら、オーダーする前に黒毛和牛のタンか、輸入のタンか聞いてみてはどうだろうか?
これまた通に見えることも請け合いである。

【塩かタレかは厚さで選ぶ!】<オーダー編その2>

焼肉のオーダーで塩かタレかで悩んだ経験はないだろうか。

もちろん、好みで決めるのがいちばんなのだが、焼き技術に自信がないときは、お肉の厚さで決めることをオススメしたい。
網の上でタレは焦げやすい。厚切りのお肉は焼くのに時間がかかるので、タレ味の厚切り肉だと、ちょっと気を抜いた隙に焦げてしまうリスクがある。こういったリスクを避ける意味で、厚切りは塩、薄切りはタレというセオリーはかなり使える。

せっかくウンチクを色々話せても、目の前のお肉を焦がしてしまうようでは、焼肉通とは言われない。

【最善のポジションを確保せよ!】<実際の焼き編その1>

極論を言えば焼肉もスポーツと一緒。
最も焼きやすいポジションを取るところから全てが始まる。
例えば、

右利きなのであれば、焼き台が右手側に来るポジション
写真が撮りやすいライトの位置を考慮したポジション
煙で目を傷めないように風下ではなく風上のポジション

肉バカにとっては、可愛い女の子やイケメンの隣が必ずしもベストポジションというわけではないということが分かっていただけただろうか。
ただし、そういった異性へのエチケットとして、煙やにおいの気になりにくい風上のポジションをすすめてあげることは忘れてはならない。

ここまで書けば、焼肉がスポーツと一緒という意味が、あなたもわかってくれるだろう。最近ちょこちょこ目にする「e-sports」ならぬ「y-sports」と言っても良いくらいだ。

【網に手をかざしてはならない!】<実際の焼き編その2>

網にお肉を乗せる前に、網に手をかざす光景を目にしたことがあるだろう。
網の温度が高くないとお肉が網にくっついてしまうため、しっかりと温度が上がっているのかを確認するための行為だと、世間一般では認識されている。

しかし、よく考えてみて欲しい。
網の上に手をかざして本当に網の温度が分かるのだろうか!?

手が熱いと感じたとしたら、それは網の温度ではなく、網の下の炭火やガス火の熱さだろう。
お肉を焼ける状態まで網の温度が上がっているか確認したい場合は、トングやお箸を使って水やタレを網に垂らすのがオススメだ。ジュッと蒸発すれば、今すぐお肉を乗せて食べ始めよう。
また、もし友達が自信満々に網に手をかざしたら、何の温度を計っているのか聞いてみよう。

この時は相手の目を直視しながら問いかけるのだ。

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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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