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夫から逃げて、幸せです。【逃げる技術!第1回】モラハラ離婚の「ダンドリガイド」つくります!

情報不足のせいで、モラハラやDVをガマンしつづけてほしくない

現実には、パートナーから慢性的なハラスメントを受けていて、「離婚」の「り」くらいまで思い浮かんだとしても、いざ別れをイメージすると、このようにいもづる式に湧いてくる数々の疑問と不安にたじろいでしまい、「別れるという選択肢」をふたたび心の奥底にそっとしまいこんでしまう人が多いのではないでしょうか。

そして、それがどんなに険しくつらい道であっても、愛のない、針のむしろのような生活であっても、昨日の続きの「日常」にふたたび戻っていくのです。
それくらい、「生活をどうやって継続していくか」ということは大切で、難しい問題です。特に、育てている子どもがいれば、なおさらのこと(病気がある、家族に障害がある、仕事が配偶者の家業である、旧弊な地域で世間体が気になるなど、他にも別れを困難にする要素はたくさんあるでしょう)。

しかし、問題があるとわかっていても、離婚をせずに結婚継続を(消極的にであれ)選ぶことにより、相手がますます増長してモラハラやDVがエスカレートしていくケースもままあります。我が家がまさにそうでした。「離婚してほしい」といったことは何度もありましたが、その度に一瞬だけ夫が改心したかのように見え(2週間くらい)、その後、さらに苛烈になるのです。

情報の不足から将来のイメージを描くことができず、選択肢を閉ざして現状維持をする。そのことがさらに悪い結果をもたらす。悪循環です。

介護におけるケアマネさんのような存在が、離婚にもいたら?

さて、現代の家族にふりかかる大変な出来事、といえば、離婚だけではありません。そのひとつに「介護」があります。2、30年前の日本の介護といえば、家族だけが(それも往々にして女性が)すべての負担を負う、またそれを周囲が美徳とする、というスタイルだったはずです。それが、介護保険法が成立し、介護に携わる事業者が続々と生まれ、いまでは相当に状況が変わりました。介護が大変なものであるということに変わりはありませんが、施設の利用を悪くいう人などはほとんどいなくなったのではないでしょうか。

介護には、ケアマネージャーさんという存在がいます。
待ったなしの「介護」という出来事が発生したときに、役所や病院や施設のどこにいって、どんな手続きをすれば、どんなサービスが受けられて、どれくらいの費用負担になるのかを俯瞰して教えてくれる人。助けが必要になった当人の「要介護度」をアセスメントしてくれて、必要なサービスの組み合わせを提案してくれるプロフェッショナル。家族構成や間取りをかんがみて、住まいのリフォームにまでアドバイスしてくれる人。

ああ、離婚にも、ケアマネさんのような、総合的に相談できる相手がいたらいいのに。そう思ったのです。
特に、DVやモラルハラスメント、子どもへの虐待などから逃げるときには、知識や作戦が必要です。なぜなら相手は「自分が正しいのだ」と思い込んだ上で、日々、配偶者や子どもをおびやかしてくるのですから。

法律のこと、お金のこと、住まいのこと。
医療や健康保険、子どものメンタルケア、教育や保育、園や学校のこと。
警察や弁護士さんがしてくれること、してくれないこと。
児童相談所とのつきあい方。
DV加害者の更生を促すような再教育講座や支援団体の存在。

わたしが自分の家庭のDVに気がついて、逃げようと決心したとき、これらの情報はみなバラバラに提供されていました。頭も身体も疲れきった状態なのに、自分で歩き回って、ひとつひとつをパズルのピースのように集めなくてはいけません。もうくたくたです。

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藤井セイラ

編集者、エッセイスト。2児の母。東京大学文学部卒業後、広告・出版を経てフリーに。子育てに関連する勉強が好きで、気がつけば、保育士、学芸員、幼保英検1級、絵本専門士、小学校英語指導者資格、日本語教師、ファイナンシャルプランナー2級など、さまざまな資格を取得。趣味はマンガとボードゲーム。苦手なものはお寿司。最近、映画館で観たのはプリキュア。

X(ツイッター) @cobta https://twitter.com/cobta

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