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分からないことを聞き返す大切さ 第3回 Sorry?

ヴァイオリニストとして活躍しながら、ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業した廣津留すみれさん。 ハーバード大学卒業、ジュリアード音楽院修了という華々しい経歴ながらも、渡米したてのころは、非ネイティブとして英語で苦戦したそうです。 そんな廣津留さんが、アメリカでの暮らしで学んだ実践的な英会話フレーズを紹介。 「これってネイティブスピーカーはなんて言うの?」を、噛み砕いて説明します。

コーヒーを頼みたいだけなのに、店員さんの返答を聞き取れなかった。先生に質問されたけど、細部が聞き取れなかった。Zoomミーティングで相手の英語が速すぎて理解が追いつかなかった……など、うまく英語が聞き取れずにもどかしい思いをした経験は誰にでもあるはず。そんな時、どう聞き返しますか?

――

大学に入ったばかりのころは英語耳になりきれず、友達との会話も半分程度の理解でさらっと流していた私。ちゃんと聞き取らないと自分が会話に参加できないのは分かっていながらも、いちいち聞き返していたら邪魔になってしまうだろうと遠慮して聞き手に徹していました。

ただ、授業になると話は別。聞き取れない言葉までしっかり理解しないと、次回の授業や小テストでついていけなくなります。そこで1学期目に履修していた経済学の先生のオフィス・アワーに出向き、恐縮しながら「すみませんが、日本から来たばかりで英語に慣れておらず、細かいところが聞き取れませんでした。ここ教えてください」と尋ねると、先生は嬉しそうに詳しい解説をしてくれました。

さらに先生に教えられたのは、分からないことはちゃんと質問することの大事さ。英語が聞き取れなかった箇所だけでなく、理解できなかった箇所もその場で積極的に質問することで、先生も学生の苦手ポイントを認識できるということ。そして黙っているだけでは人の話を聞いてないのかと思われてしまい損するということ。

それからの私は、授業のみならず友達との会話でも積極的に「それってどういう意味?」「今何て言った?」と突っ込むようになりました。友人も先生も全く嫌がらず、むしろ質問されたことに喜んで答えてくれる姿をみて、聞き返すことに抵抗がなくなりました。そこで今日は皆さんに、失礼のない「聞き返し方」を提案します。

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廣津留すみれ

ヴァイオリニスト。大分市出身。12歳で九州交響楽団と共演、高校在学中にニューヨーク・カーネギーホールにてソロデビュー。ハーバード大学(学士課程)卒業、ジュリアード音楽院(修士課程)修了。ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業。現在は成蹊大学客員講師、国際教養大学特任准教授の他、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)のコメンテーターも務める。

著書に『ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」』『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』『新・世界の常識 複雑化する時代を生き抜く54の思考と言動』、翻訳書に「イツァーク ヴァイオリンを愛した少年」(トレーシー・ニューマン文/アビゲイル・ハルピン絵)がある。。2022年にデビューCD『メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ』をリリース。

近影©Brandon Ilaw

公式サイト https://sumirehirotsuru.com/
インスタグラム @sumire_vln

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