2023.1.25
二十五年前に購入した布団の買い替えと収納術
こうなったらすぐにやらなくてはと、引き出しを開けてみたら、やはり、袷は無理だったが、単衣のところに何とか夏物も入りそうだった。結構、ぎゅうぎゅうにはなったものの、いちばん下の引き出しを空にして、指示書どおりに下着、タオル、パジャマを入れることができた。もっと作業をしたかったのだけれど、やりすぎると絶対に途中でいやになりそうだったので、この日はこれだけでやめておいた。でも生活環境を整えるためには、何らかの処分はしなくてはならない。
次は小さな庭の落ち葉掃きである。隣家のアカメガシワの大きな葉が落ちてきていて、そろそろ掃除をしなくてはと考えていたら、突然、男性二人が低い塀の向こう側に現れたのでびっくりした。聞こえてくる話によると、あまりに葉が茂りすぎて、メーターの検針ができないようだ。
(そうか、隠しちゃったのか、相当、茂っていたからなあ)
と思っていたら、翌日、業者らしき男性が一人でやってきて、電動ノコギリでものすごい勢いでアカメガシワを切りはじめた。もちろんそれにへばりついていたヤブガラシも、同時にさようならである。おおっと仕事の手を止めてカーテンの陰から見ていると、彼は住宅の二階以上の高さにまで育った、もう一本のアカメガシワも切りはじめた。切りはじめるとあっという間だなあと感心しながら、見通しがよくすっきりとなった風景を眺めていた。これでこれ以上、落ち葉が増えることはないから、明日、落ち葉掃きをしようと、様子を見に庭に出てみたら、さすがプロの手腕なのか、あれだけの大きさの木を切ったのに、こちらに葉は落ちてきていなかった。気を遣ってくださったらしい。それによって年末の落ち場掃きはとても簡単だった。といっても詰め込んで、大きめのレジ袋一袋分にはなったのだけれど。
新年を迎えるにあたり、とても周辺が明るく見通しがよくなったのはいいが、ひとつ困ったことができた。これまではアカメガシワが木の枝を伸ばし、たくさんの枝や大きな葉が茂っているのをいいことに、見えないだろうからと、他の洗濯物と同様に、外に下着のパンツを干すようになったのだが、あまりに素通しになったので、いくらおばちゃんといえども、パンツを外に干す勇気はなくなってしまった。節電のために浴室乾燥機は使わず、エアコンの下に、二十年間使い続けている、ステンレス製の折りたたみ式の物干しを置いて、部屋干しするようにした。寒い日は電気ストーブも併用しているので、それも利用する。年が明けるととても天気がいい日ばかりで、気持ちがよかったのだけれど、青い空を見上げながら、また思いっきりパンツを干したいなあと、少し残念に思ったのだった。
次回は2月22日(水)公開予定です。お楽しみに!
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